肺結核Topix


肺結核症 

疫学
罹患率は、年間10から11%です。 
2006年の罹患率は10万対20.6ですが、先進国では5であり、我が国は相変わらず高値です。高齢者ほど罹患率が高い。高齢化が進んでいる現在、注意が必要です。

発症因子
糖尿病、喫煙、胃切除、ステロイド剤、抗がん剤、免疫抑制剤、悪性腫瘍、人工透析、高齢、HIV感染など

症状
咳、痰、血痰、汗、発熱、胸痛、体重減少、さ声

診断
胸部レントゲン、CT
喀痰検査(結核菌の検出)
胃の検査
気管支鏡検査(洗浄、生検)
QFT−2G

治療
抗結核剤 RFP,INH、PZA、EB、SMなど
最近は耐性菌が多いので注意が必要です

副作用
肝機能障害、視神経障害、聴力障害、皮膚症状、腎機能障害など

結核症は忘れられた病気と言われていますが、結核症を経験医療従事者が少ないので見逃されている可能性もあります。高齢化が進み、糖尿病や悪性腫瘍が増加している現在、特に長引く咳には注意をする必要があります。
                

結核は恐ろしい。 2012/03/25

3月24日は世界結核デーです。
ドイツ人学者ロベルト・コッホが結核菌を発見してから3月24日で130年経ちます。
しかし、結核は過去の病気ではありません。
世界3大感染症(結核、エイズ、マラリア)の一つです。
世界保健機関(WHO)によると、2010年の結核感染死者は約140万人です。
貧困による不衛生や栄養不足に加え、精度の低い検査や新薬開発の遅れが大きな課題となっています。
日本でも年間23,000人以上もの方が発症する感染症です。
平成22年に23,261人が結核を発病し、発病したおよそ12人に1人が亡くなっており、平成21年は2,159人の方が亡くなりました。
我が国の結核の現状1)外国籍結核患者の割合が増加傾向にあり、20歳代の新登録結核患者の約4人に1人は外国籍患者です。
2)結核罹患率の地域差は依然大きく、大都市(大阪、東京)で高い状況です。
3)世界的に見て、日本は依然として結核中まん延国であり、結核に関しては後進国です。
  先進国はまん延していません。4)薬剤に耐性の菌が増加しています(2011年に九州で集団感染がありました)。
5)集団感染が多い(病院、老人施設、刑務所、学校など)。
結核菌に感染した人の中で実際に発病する人は、10人のうち2人から3人といわれています。
発病には、感染してから早い時期に病気が進む初感染発病と、感染してから長期間たって発病する既感染発病があります。
既感染発病は昔感染した結核菌が肺のどこかでじっと眠っていて、何十年もして何らかの理由で目を覚まして再び活動を始めるもので、高齢者に多くみられます。
高齢者社会においては非常に問題です。
先日も当院の患者さんで介護の仕事をしている方が患者さんから感染した可能性があり治療をしています。
結核の初期症状は、かぜに似ていますので軽く考えることが多いと思います(医師も含めて)。
咳が続く、痰や血痰が出る、体重が急激に減少する、寝汗をかく、微熱があるなどの症状があるときは医療機関を受診してください。
だだ、この病気を経験したことのない医師や治療をしたことのない医師が多いので、呼吸器専門医を受診することが大切です。
結核は恐ろしい病気であることを忘れないでください。



結核は危ないです
 
結核に関する新聞記事がありましたのでお読みください

20代男性が結核で死亡 大阪の飲食店で集団感染
2009年6月26日 提供:共同通信社
 大阪市は25日、同市中央区に住む20代後半の元飲食店アルバイトの男性が結核を患って2月に死亡し、接触があった同僚ら男女計9人への集団感染が確認されたと発表した。

 市保健所によると、男性は店の厨房(ちゅうぼう)で働き、客との接触はなかった。店の換気も良く、結核は空気感染のため「客への感染の可能性はない」としている。一方で元同僚など約50人の健康調査を急ぎ、市民にも疑わしい症状があれば、早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。

 男性は2007年1月からせきの症状が出始め、昨年秋ごろから体調が悪化し、12月に店を辞めた。ことし2月10日、激しいせきが出て食事も取れず動けなくなり、病院に救急搬送されたが、同月23日に死亡した。

 保健所が2-4月にかけ元同僚や友人を捜し、健康診断を実施したところ、接触があった同僚のうち3人の発病と、6人の感染が判明した。

 いずれも20代前半から30代前半で、発病した3人も肺に影はあるものの症状はなく、通院して治療を受けている。体外に菌が排出される状態ではなかったという。

 男性は健康保険証は持っていたが、周囲に勧められても病院に行かなかったといい、保健所医師は「受診の遅れが死亡につながった可能性が大きい」としている。

日本は結核が多い

結核は今や忘れ去られた過去の病気と思われていますが、決してそうではありません。
発熱、咳、痰、易疲労感(疲れやすい)、食欲不振、寝汗などの症状が知らぬ間に現れます。
これらの症状は感冒(かぜ)とまったく同じですが、感冒とは違い、症状が長期間続きます。
病院や診療所で抗生剤などを処方してもらい、内服しても2週間以上症状が続けば、肺結核症が疑われます。放置すると、血痰、息切れ、体重の減少も加わります。
肺結核は空気感染(飛沫核(ひまつかく)感染)なので、咳が続く期間が長ければ長いほど、そして痰の量が多ければ多いほど感染力が強くなります。
最近は結核を知らない医療関係者が多く、診断が遅れることが多いですが、私は長年結核の患者様を診てきましたのでご相談にはのれると思います。
 最近も20歳台の男性の肺結核を見つけました。
日本の結核の発症率は先進国に比較すると4倍高いです。ある意味で日本は後進国です。
患者様も風邪症状が長引いたら、早く専門医を受診する事が必要です。