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ピロリ菌について ピロリ菌には4〜8本の鞭毛(べんもう)があり、これを使って胃粘膜に侵入・潜伏します。そして、胃を守るための粘液層こそがピロリ菌の住処となるのです。また、ピロリ菌は胃酸に耐え抜くための酵素「ウレアーゼ」を持っていて、これが胃粘液の成分である尿素を分解し、アンモニアとなります。このアンモニアで自分の周りを覆い、胃酸との中性化を図ることによって、強酸性の胃の中で生き続けているのです。 なお、ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」といいます。「ヘリコ」には“らせん”や“旋回”という意味があり、ピロリ菌の形状を表しています。ヘリコのあとに続く「バクター」は“細菌”を意味し、「ピロリ」は“幽門部(ピルロス)”でよく発見されることから名付けられました。
ピロリ菌の感染経路 ・
口―口感染(歯垢や唾液からの検出) ・ 糞―口感染(糞便からの検出) ・ 飲料水からの感染(水道水からの検出) ・
動物を媒体とした感染(ハエやネコなどからの検出) ・
内視鏡を媒体とした感染
感染率 ピロリ菌の感染率は国によってずいぶんと違い、また経済および衛生状態によっても異なります。上下水道が整備されていない国や地域では感染率が高く、先進国では日本だけが際立って高い感染率を示しています。中でも50歳以上の感染率は7〜8割と非常に高く、これは子供のときに井戸水を飲用していたことが原因と考えられます。一方、10〜20代では2割前後と他の先進国とほぼ同率です。衛生状態のよい環境に育った人たちは感染率が低いです。
ピロリ菌と病気 慢性胃炎をはじめ、胃潰瘍や胃がんなどはすべてピロリ菌が関係しています。 また、胃過形成性ポリープ、胃のリンパ腫、鉄欠乏性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などもピロリ菌が関係しています。
検 査 ピロリ菌を見つける検査は大きく分けて2つあります。1つは内視鏡(胃カメラ)を使った検査、もう1つは内視鏡を使わない検査です。ただし、いずれの場合も消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)と診断された人のみ保険適用となります。 1)内視鏡を使う検査 内視鏡を使って胃の組織を一部採取し、菌を培養したり、染色したりしてピロリ菌の有無を調べます。 培養法、迅速ウレアーゼ法、組織鏡検法があります。 2)内視鏡を使わない検査 a)尿素呼気試験法 最も一般的、かつ精度の高い検査です。検査薬を服用して15〜20分後の呼気を採取し、ピロリ菌が分泌する酵素「ウレアーゼ」の働きによって作られる二酸化炭素の量を調べます。 b)抗体法 血液や尿、唾液などを採ってピロリ菌に感染したときにできる抗体の有無を調べます。 c)抗原法 検便によって検体を採取し、検査する方法です。費用はやや高いのですが鋭敏な方法であり、精度も高いとされています。
治 療 2000年11月、ピロリ菌に感染していてなおかつ胃・十二指腸潰瘍と診断された人の除菌療法が健康保険認可されました。除菌によって消化性潰瘍の原因を根本から絶つだけでなく、それらの再発を抑えることもできます。ただし、除菌成功率は100%ではありません。 除菌治療を受けた人のうち約20%は失敗し、たとえ成功したとしても1年間で10%の人は消化性潰瘍を再発するという報告があります。なお、失敗すると再除菌を行いますが健康保険適用による除菌療法は2回までとなっています。それ以降の除菌療法は自費扱いとなるので、注意してください。 a)薬剤 現在、行われている除菌療法は「3剤併用療法」です。これは胃酸の分泌を強力に抑えるプロトンポンプ阻害剤と2種類の抗生物質、合計3剤を1日2回(朝・夕食後)に服用するというもの。日本ヘリコバクター学会によって定められたガイドラインの中で、使用する薬の種類と用量が決められています。 なお、除菌療法は7日間連続して行われますが、途中で服用をやめてしまうとピロリ菌が薬に対して耐性をもってしまい、次に除菌しようと思っても薬が効かなくなる恐れもあるので要注意です。 1)プロトンポンプ阻害剤 胃酸は胃粘膜にあるプロトンポンプから分泌されるので、その活性を阻害することで胃酸の分泌を強力に抑えます。それと同時に、胃酸のために抗生物質が働かなくなってしまうのを防ぎます。 2)抗生物質 ピロリ菌を除去する薬で、アモキシシリンとクラリスロマイシンが保険適用薬となっています。ただし、抗生物質を飲んで副作用(湿疹や発熱、呼吸困難など)を起こしたことのある人は除菌治療が行えないことも。また、高齢者や重症の肝・腎疾患を合併している人も除菌治療を行えない可能性があるので、主治医とよく相談してください。 3)副作用 除菌治療では抗生物質を多量かつ長期にわたって飲まなければならないので、薬の副作用も現れやすいとされています。しかし、軽症あるいは一過性のものが多く、その症状は除菌中〜除菌終了にかけて消失することがほとんどです。 下痢・軟便、過敏症(発疹など)や肝・腎機能障害、味覚異常などが出ることもあります。
b)薬以外の治療 私たちの身の回りにはさまざまな食べ物がありますが、その中にはピロリ菌の除菌に効果があります。 1)ヨーグルト ヨーグルトに含まれる乳酸菌の中には、ピロリ菌殺菌作用の強いものがあります。中でも、明治乳業の「明治プロビオヨーグルトLG21」は人気No.1です。1日1個、24週間食べ続けることでピロリ菌が減少し、胃粘膜の炎症も改善されるとか。また、抗生物質に耐性のあるピロリ菌にも効果があるそうです。 2)ココア ココアに含まれる不飽和脂肪酸「カカオFFA」はピロリ菌の細胞膜に侵入してダメージを与え、胃粘膜への付着を防ぎます。胃・十二指腸潰瘍の患者を対象に行った研究では、ココアの摂取によって除菌率が向上することもわかりました。1日2〜3杯、空腹時に飲むのが効果的だそうです。
当院では主に尿素呼気試験法を施行しております。今までに陽性の方はすべて治療で陰性になりました。ご希望の方はご連絡ください。
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