朝日新聞連載記事
2018年9月15日 土曜日
朝日新聞に連載vol7
Q
78歳の父と暮らしていますが、最近、食事中に咳き込むことが多くなり、気がかりです。誤嚥性肺炎が心配です。病院を受診するべきでしょうか。
A
超高齢社会において、誤嚥性肺炎は増加傾向にあります。2015年の厚生労働省・人口動態統計によると、肺炎による死亡者数のうち、約96%が65歳以上です。また、高齢者が罹患する肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎です。死亡率は100人/人口10万です。
発症しやすいのは、嚥下機能の低下した高齢者、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などの脳神経疾患や寝たきりの患者に多く発生します。
≪原因≫
嚥下機能障害のため唾液、食べ物、胃液などと共に口腔内の細菌を気道に吸引することで発症します。
≪症状≫
発熱、咳、痰などが典型的な症状です。しかし、これらの症状がなく、元気がない、食欲がない、意識障害などの症状のみがみられることが多いです。
≪検査≫
胸部X線写真で肺炎像を確認し、白血球増加や炎症反応が亢進しています。
≪治療≫
咳き込みが多い場合には、すぐに医療機関(呼吸器科)を受診して下さい。抗菌薬などの薬物治療が中心ですが、呼吸状態や全身状態が不良な場合は入院治療が必要です。高齢者や中枢神経障害などで寝たきりの患者に発症することが多いので、予後不良の場合も少なくありません。
投稿者 Genova | 記事URL