朝日新聞連載記事
2021年11月10日 水曜日
朝日新聞に連載vol20
Q
50代夫は喘息もちで、医師から禁煙するように言われているのに、タバコがやめられないようです。このまま禁煙できないとどうなってしまうのでしょうか。なんとか止めさせる方法はありませんか。
A
お答え致します。
喘息の患者さんが喫煙を持続すると、慢性的に気道に炎症が増強し、非可逆的に気道が狭くなり喘息が重症化し、さらに慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)を合併して、日常生活に支障をきたし最終的には酸素を常に吸わないと生活することが出来なくなります。タバコの煙にはベンゼン、トルエン、ホルムアルデヒドなどアレルギーを誘発する物質が多く含まれており、喘息を誘発し増悪させ、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を増悪させます。さらに、タバコの煙には、ベンゼン、カドミウム、アセトアルデヒド、ニトロソアミンなどの発がん性物質が多く含まれていますので、喫煙者は肺癌や他の癌を発症する可能性が高いです。禁煙をするには、禁煙外来を受診するのが確実だと考えます。しかし、現在、アメリカ製薬会社が経口禁煙補助薬(チャンピックス)の出荷を停止しています。しかし、別の禁煙補助薬(ニコチネル)がありますので禁煙をご希望の方は禁煙外来を受診してみてください。喫煙は喘息の患者さんに限らず健康を害するものですので禁煙をしましょう。特に、喫煙者はコロナウイルスに感染すると重症化する確率が高いです。
投稿者 Genova | 記事URL