朝日新聞連載記事
2022年6月10日 金曜日
朝日新聞に連載vol22
Q
ぜんそくと肺炎を見分けるには、何が一番の違いになりますか。また、ぜんそくから肺炎になることがあるのか、肺炎に対して気を付けたほうがよいことがあれば教えてください。(55歳女性)
A
お答えします。
喘息は気道(空気の通り道)に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなり、せき、たん、息切れが夜間や早朝に出やすい病気です。炎症の原因は、ほこり、ダニ、ペットのフケなどのアレルギーによることが多いです。一方、肺炎は、細菌やウイルスなどの微生物が感染して、肺に炎症を起こす病気です。原因となる微生物は、肺炎球菌が最も多く、ほかにインフルエンザ菌などがあります。せき、たん、息切れ、胸の痛み、発熱などの症状がみられます。このことから、喘息と肺炎を見分けるのは、発熱があるかどうか、症状の発現が発作的かどうか、症状の出現する時間や環境などです。喘息の方の気管に、微生物が入ると気管支炎になり、さらに肺炎に至ることがあります。肺炎予防に必要なことは、まずは肺炎球菌ワクチンなどの予防接種が大切です。それと手洗い、うがい、マスク着用をして、体に微生物が侵入してくるのを防ぐことです。さらに、体内に侵入した微生物を殺す役割を担う白血球のはたらきを高めるため、免疫力を強化する食事を摂ることが大切です。
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