朝日新聞連載記事

2021年4月 5日 月曜日

朝日新聞に連載vol17



Q
たまたま受けた胸部CTで肺の小さな結節を指摘されました。定期的な胸部CT検査を指示されましたが、不安です。

A
お答え致します。肺の結節陰影の原因は、肺癌、臓器癌の肺転移、良性腫瘍、肺結核症、肺真菌症(カビで起こる病気)、肺非結核性抗酸菌症、炎症が治った痕跡などの可能性があります。しかし、血管と血管、骨と血管が重なって、結節影として写ることもあります。肺CT検査の結果、結節陰影があり、その性状から肺癌、肺結核などの重大な病気の可能性が高い場合には、喀痰検査、血液検査(腫瘍マーカー含む)、気管支鏡検査などの検査を行います。また、手術を行って摘出する必要がある場合もあります。しかし、重大な病気であることが、断定できない場合には一定の期間をおいてCT検査を繰り返し、陰影の変化を見て経過観察します。この場合には、不安のために、日常生活に支障をきたすこともあると思います。しかし、悪い病気でない可能性は高いので、心配をしないようにしましょう。肺癌検診で「要精密検査」と判定される人の割合は50人に1人で、さらに精密検査する人の中で50人に1人が肺癌です。つまり、1万人の中で4人が肺癌であると厚生労働省が公表しています。これだけ肺癌と診断されることは少ないです。

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