朝日新聞連載記事
2022年9月13日 火曜日
朝日新聞に連載vol23
Q
夫が煙草をやめてくれません。喫煙者は肺がんのリスクが高いと聞きました。夫に肺がんの症状を説明し、煙草をやめてもらいたいと思っています。肺がんの具体的な症状を教えてください。
A
お答え致します。
肺がんには、肺そのものから発生した原発性肺がんと他の臓器から発生し、肺に転移した転移性肺がんがあります。肺がんは、早期であれば手術が最も治癒の期待できる治療法ですが、発見された時には進行している場合が多く、すべてのがんの中では、治療が難しいがんの一つです。肺がんの原因の70%はタバコで、その他に受動喫煙、環境(アスベストの吸入など)、食生活、放射線、薬品などが挙げられます。タバコには約60種類の発がん物質が含まれており、肺や気管支が繰り返し発がん物質に曝され細胞に遺伝子変異が起こりがんになります。ですから、喫煙数や喫煙年数が多いほど肺がんになるリスクが高くなります。肺がんに特徴的な症状はありません。肺がんの種類、発生部位、進行度によって症状は異なります。せき、たん、血たん、倦怠感、発熱、体重減少、胸痛などさまざまですが、これらの症状は他の呼吸器の病気でもみられます。最も多いのは無症状で、他の病気で胸部エックス線や胸部CTを撮ったときに偶然発見されます。しかし、胸部エックス線では早期の肺がんを見つけるのは困難ですから、胸部CTを撮ることが必要です。
投稿者 Genova | 記事URL