朝日新聞連載記事
2022年2月15日 火曜日
朝日新聞に連載vol21
Q
自分のいびきで目が覚めたり、妻からもいびきがうるさすぎると言われ、改善のために通院を考えています。病院ではどのような治療をするのでしょうか。
A
ご質問にお答え致します。
睡眠中は全身の筋肉が緩み、舌を支える筋肉も緩み、気道が狭くなり空気が通る時に周りの組織が振動していびきが起こります。いびきには無呼吸を伴わない場合と伴う場合があります。無呼吸を伴わないいびきは鼻づまりや疲労、飲酒、風邪などが原因です。無呼吸を伴ういびきは、昼間の眠気が出現し、仕事に集中できなかったり、車の運転中に事故を起こしたりします。また新陳代謝に異常をきたすため、肥満になり、糖尿病、高血圧症に至ることもあります。血液中の酸素が低下し、心臓や脳に酸素が行き渡らず心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こす可能性もあります。睡眠時の無呼吸を伴ういびきであれば、呼吸器内科を受診してください。睡眠の状態を調べる終夜睡眠ポリグラフという検査があり、1時間あたりのAHI(無呼吸低呼吸指数)が5から15回を軽度、15から30回を中等度、30回以上を重度と判定します。日本では中等度以上の場合は、マスクから強制的に空気を送り込み気道を拡げる持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行います。外来では、医師がAHI及び症状などをチェックし安全に治療して頂けるように管理してゆきます。
投稿者 Genova | 記事URL