寺尾クリニカブログ
2026年5月 5日 火曜日
マンジャロ(チルゼパチド)の臨床報告 -- 効果・限界・実務上の注意
最近、マンジャロを使用する人が増えてきましたので、色々な情報が出てきています。
そこで、最近の症例から、皆さんに役立つ情報を報告します。
1. 最小使用量(2.5mg)による改善例
HbA1cの劇的低下
薬剤師からの増量提案に対し、患者さん自身の判断で最小使用量(2.5mg)を継続した結果、HbA1cが6.8%(導入時9.6%)まで低下しました。
自律による相乗効果
患者さんは、私の配信記事(note)を読み、自己管理を徹底しているようです。具体的には、通勤時の歩行を増やすなどの努力もしているそうです。ですから低使用量でも十分な減量と血糖改善を達成できるのです。
この患者さんは、マンジャロを増量しないで、自分で食事療法、運動療法を併用することで改善しています。
無理にマンジャロを増やす必要がないということです。
このように治療してゆけば、リバウンドのないと思います。
2. 生理的変化と合併症への対応
食欲と脂肪の減少
「我慢」による制限ではなく、マンジャロにより食欲が低下し、外見上お腹周りの脂肪が減少し、検査をすると中性脂肪の数値の改善が判明し、患者さんは満足しています。
制限下の挑戦
腰椎椎間板ヘルニアのために運動が困難な肥満患者さんは、マンジャロにより自然に減量したので、「痩せなければならない」という精神的ストレスが無くなり喜んでいました。
この患者さんはヘルニアがあるために運動が出来ないので、悩んでいましたが、マンジャロのことを私が勧めました。
直ぐに注射を開始しました。食欲が減り、おなかの脂肪がへり、さらにストレスもなくなり、睡眠もとれるようになりました。
暫く、このまま観察をしたいと思います。
3. マンジャロの限界とリスク(デバイスの不良品)への対応
本剤は、すべての患者さんを満足させる魔法の薬ではありません。医療には必ず「限界」と「リスク」が存在します。
効果の個人差と断念
導入を決断した100kg超の患者さんがいる一方で、初回投与後に強い嘔吐が現れ、継続を断念せざるを得ない事例もありました。残念ながら、マンジャロはすべての患者さんに適応するわけではありません。
当院で、これほど、吐いたのはこの方だけでした。もともとこの方は、胃が弱かったと言っていました。
この方には申し訳なかったですが、今後に生かしたいと思います。
デバイスの不良品(初報告)
「デバイス(注入器)が壊れていた(不良品)」という事例が初めて報告されました。精密機器である以上、初期不良のリスクはゼロではありません。
実務上の危機管理
不具合が生じた際、患者が独断せず「薬局に相談に行く」という適切な行動をとったことは、安全に薬物療法を維持する上で極めて重要です。
患者さんにも、こうしたトラブルへの「自律」した対応が求められます。
デバイスに関しては、これまで、色々なデバイスを使用してきましたが、不備が出たのは残念です。
こればかりは、私が確かめるわけにはいかないので、薬局に相談するのが正解でした。
まとめ
マンジャロを使用する患者さんが最近増加しています。今後、それに伴い予期せぬことや文献には記載していないような情報が得られると思います。
今後もみなさんに役立つ医療情報をお伝えしますので、ご期待ください。
そこで、最近の症例から、皆さんに役立つ情報を報告します。
1. 最小使用量(2.5mg)による改善例
HbA1cの劇的低下
薬剤師からの増量提案に対し、患者さん自身の判断で最小使用量(2.5mg)を継続した結果、HbA1cが6.8%(導入時9.6%)まで低下しました。
自律による相乗効果
患者さんは、私の配信記事(note)を読み、自己管理を徹底しているようです。具体的には、通勤時の歩行を増やすなどの努力もしているそうです。ですから低使用量でも十分な減量と血糖改善を達成できるのです。
この患者さんは、マンジャロを増量しないで、自分で食事療法、運動療法を併用することで改善しています。
無理にマンジャロを増やす必要がないということです。
このように治療してゆけば、リバウンドのないと思います。
2. 生理的変化と合併症への対応
食欲と脂肪の減少
「我慢」による制限ではなく、マンジャロにより食欲が低下し、外見上お腹周りの脂肪が減少し、検査をすると中性脂肪の数値の改善が判明し、患者さんは満足しています。
制限下の挑戦
腰椎椎間板ヘルニアのために運動が困難な肥満患者さんは、マンジャロにより自然に減量したので、「痩せなければならない」という精神的ストレスが無くなり喜んでいました。
この患者さんはヘルニアがあるために運動が出来ないので、悩んでいましたが、マンジャロのことを私が勧めました。
直ぐに注射を開始しました。食欲が減り、おなかの脂肪がへり、さらにストレスもなくなり、睡眠もとれるようになりました。
暫く、このまま観察をしたいと思います。
3. マンジャロの限界とリスク(デバイスの不良品)への対応
本剤は、すべての患者さんを満足させる魔法の薬ではありません。医療には必ず「限界」と「リスク」が存在します。
効果の個人差と断念
導入を決断した100kg超の患者さんがいる一方で、初回投与後に強い嘔吐が現れ、継続を断念せざるを得ない事例もありました。残念ながら、マンジャロはすべての患者さんに適応するわけではありません。
当院で、これほど、吐いたのはこの方だけでした。もともとこの方は、胃が弱かったと言っていました。
この方には申し訳なかったですが、今後に生かしたいと思います。
デバイスの不良品(初報告)
「デバイス(注入器)が壊れていた(不良品)」という事例が初めて報告されました。精密機器である以上、初期不良のリスクはゼロではありません。
実務上の危機管理
不具合が生じた際、患者が独断せず「薬局に相談に行く」という適切な行動をとったことは、安全に薬物療法を維持する上で極めて重要です。
患者さんにも、こうしたトラブルへの「自律」した対応が求められます。
デバイスに関しては、これまで、色々なデバイスを使用してきましたが、不備が出たのは残念です。
こればかりは、私が確かめるわけにはいかないので、薬局に相談するのが正解でした。
まとめ
マンジャロを使用する患者さんが最近増加しています。今後、それに伴い予期せぬことや文献には記載していないような情報が得られると思います。
今後もみなさんに役立つ医療情報をお伝えしますので、ご期待ください。
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2026年5月 2日 土曜日
喘息治療におけるステロイドの危険性について。「副作用(リスク)と、使用しないことによる危険性」
ステロイド治療には、主に「吸入ステロイド薬(ICS)」と、点滴や内服などの「全身性ステロイド薬」の2種類があり、それぞれリスクの程度が違います。
1. 吸入ステロイド薬(ICS)の主な副作用とリスク
吸入ステロイド薬は肺に直接作用するため、全身への影響が少なく、安全性が高い薬剤です。ただし、以下のような局所的な副作用や、特定の条件下での注意点があります。
*局所的な副作用: 口の中に薬剤が残ると、口腔カンジダ症(カビの感染症)や嗄声(させい:声がれ)、喉の不快感が起こりますこれらは、吸入後の適切な「うがい」によって多くの場合、口腔カンジダ症を防ぐことが可能です。
*小児の成長への影響: かなりかつ長期に使用した場合、身長の伸びがわずかに抑制される可能性が知られています。そのため、小児ではリスクとベネフィットを医師と十分に相談することが重要です。
*全身への影響: 通常の常用量では、全身性の副作用(骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍など)はほとんど見られません。
2. 全身性ステロイド薬(点滴・内服)のリスク
重症発作時や難治性喘息で用いられる全身性ステロイド薬には、長期・大量投与によって以下のような深刻な副作用のリスクがあります。
*主な副作用:副腎機能阻害、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、免疫不全(感染しやすくなる)、白内障、多毛、異常脂肪沈着(満月様顔貌など)が挙げられます。
また、女性の場合には生理不順や無月経に繋がります。
*回避の必要性:喘息治療においては、これらの副作用を気にするため、生物学的製剤などを活用して全身性ステロイド薬の使用量を減らすことが推奨されています。
内服は発作が治まらない時に頓用するのが通常の使い方です。
3.ステロイドを使用しない・中断することの危険性
ステロイドの副作用を恐れて自己判断で中断することの方が、はるかに危険です。
*「気道リモデリング」: 炎症を放置すると気管支壁が分厚くなり気道が狭くなり、薬が効かなくなる難治性喘息に進んでしまいます。
*喘息死のリスク: 喘息死の主な問題は、吸入ステロイドによる長期管理を怠る事で発作が起きることです。吸入ステロイドの使用量が少ないほど、喘息による死亡のリスクが高まるというデータも示されています。
*発作時の吸入剤依存: 吸入ステロイドを予防としてを使わず、発作時に気管支拡張剤の吸入に頼ることは、気道炎症を悪化させ、死に至るリスクが高まります。
またこの吸入を頻繁に用いることは心臓への負担が発作大きく死に至ることもあります。ですから1日に使用する回数は4回までです。
まとめ
このように、吸入ステロイドは正しく使用すれば喘息死を防ぐ最大の武器になりますが、点滴や内服を長期に使用すると全身への影響が強く後悔する事になります。その場合には、治療方法(生物学的製剤の使用など)を変更する必要があります。骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍などの病気になってからからでは手遅れになります。
その場合には、呼吸器専門医に相談してください。
1. 吸入ステロイド薬(ICS)の主な副作用とリスク
吸入ステロイド薬は肺に直接作用するため、全身への影響が少なく、安全性が高い薬剤です。ただし、以下のような局所的な副作用や、特定の条件下での注意点があります。
*局所的な副作用: 口の中に薬剤が残ると、口腔カンジダ症(カビの感染症)や嗄声(させい:声がれ)、喉の不快感が起こりますこれらは、吸入後の適切な「うがい」によって多くの場合、口腔カンジダ症を防ぐことが可能です。
*小児の成長への影響: かなりかつ長期に使用した場合、身長の伸びがわずかに抑制される可能性が知られています。そのため、小児ではリスクとベネフィットを医師と十分に相談することが重要です。
*全身への影響: 通常の常用量では、全身性の副作用(骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍など)はほとんど見られません。
2. 全身性ステロイド薬(点滴・内服)のリスク
重症発作時や難治性喘息で用いられる全身性ステロイド薬には、長期・大量投与によって以下のような深刻な副作用のリスクがあります。
*主な副作用:副腎機能阻害、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、免疫不全(感染しやすくなる)、白内障、多毛、異常脂肪沈着(満月様顔貌など)が挙げられます。
また、女性の場合には生理不順や無月経に繋がります。
*回避の必要性:喘息治療においては、これらの副作用を気にするため、生物学的製剤などを活用して全身性ステロイド薬の使用量を減らすことが推奨されています。
内服は発作が治まらない時に頓用するのが通常の使い方です。
3.ステロイドを使用しない・中断することの危険性
ステロイドの副作用を恐れて自己判断で中断することの方が、はるかに危険です。
*「気道リモデリング」: 炎症を放置すると気管支壁が分厚くなり気道が狭くなり、薬が効かなくなる難治性喘息に進んでしまいます。
*喘息死のリスク: 喘息死の主な問題は、吸入ステロイドによる長期管理を怠る事で発作が起きることです。吸入ステロイドの使用量が少ないほど、喘息による死亡のリスクが高まるというデータも示されています。
*発作時の吸入剤依存: 吸入ステロイドを予防としてを使わず、発作時に気管支拡張剤の吸入に頼ることは、気道炎症を悪化させ、死に至るリスクが高まります。
またこの吸入を頻繁に用いることは心臓への負担が発作大きく死に至ることもあります。ですから1日に使用する回数は4回までです。
まとめ
このように、吸入ステロイドは正しく使用すれば喘息死を防ぐ最大の武器になりますが、点滴や内服を長期に使用すると全身への影響が強く後悔する事になります。その場合には、治療方法(生物学的製剤の使用など)を変更する必要があります。骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍などの病気になってからからでは手遅れになります。
その場合には、呼吸器専門医に相談してください。
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2026年5月 1日 金曜日
アスピリン喘息(解熱鎮痛薬喘息)を知っていますか?
アスピリン、ロキソニン(ロキソプロフェン)、ブルフェン(イブプロフェン)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を摂取・使用することで、激しい喘息発作が誘発される病態です。
アスピリン以外の薬剤でも発症するため、最近では「NSAID過敏喘息(N-ERD)」や「アスピリン誘発性呼吸器疾患(AERD)」という名前が一般的になりつつあります
特徴
成人の喘息患者の約10%程度にみられるとされ、特に30〜40代の女性に多い傾向があります。
症状
薬を飲んだ後、1時間以内に鼻水、鼻づまり、顔面の紅潮、そして激しい咳や呼吸困難が起こります。時に、消化管症状(腹痛、嘔気、下痢)、時に胸痛や瘙痒、蕁麻疹なども認めます。
合併症
慢性副鼻腔炎(蓄積膿症)や鼻ポリープ(鼻茸)を合併していることが非常に多く、これらがアスピリン喘息を疑う重要な指標となります。
メカニズム
一般のアレルギーとは異なり、アラキドン酸の代謝バランスが崩れ、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に産生され、激しい気管支喘息を起こす疾患です。
注意点
*発症すると原則として一生涯、原因となる薬剤を避ける必要があります。
*アスピリン喘息は重症です。私も、勤務医の時に、鎮痛剤を服用して呼吸困難を起こして来院した女性を診察したことがありますが、その方は重症になり人工呼吸器を装着して治療しました。
*すべてのNSAIDs(アスピリン、ロキソニン、インドメタシン、ボルタレン、ブルフェン、ナプロキセン、ポンタール、スルピリンなど)が対象になります。
*ガイドラインでは、比較的安全とされる代替薬(アセトアミノフェン)を投与する場合でも、念のため投与後最短2時間は医療従事者の監視下で経過を観察することが推奨されています。アセトアミノフェンは1回あたりの用量を300mg以下(日本人)に抑えれば、比較的安全に使用できます。
*ほかには、チアミド塩酸塩(ソランタール)などは比較的安全とされています。
*葛根湯などの漢方薬は安全に使用できる薬剤としてガイドラインに記載されています。
*歯科や整形外科を受診する時は、歯科医や医師に、鎮痛剤服用で咳、呼吸苦などの症状が出現したことがあると必ず申告してください。
まとめ
アスピリン喘息は、あまり知られていませんが、重症化する喘息なので十分に注意してください。特に女性は鎮痛剤を飲むことが多いのでなおさらです。この病気を知らない医療従事者もいるので気お付けてください。
アスピリン以外の薬剤でも発症するため、最近では「NSAID過敏喘息(N-ERD)」や「アスピリン誘発性呼吸器疾患(AERD)」という名前が一般的になりつつあります
特徴
成人の喘息患者の約10%程度にみられるとされ、特に30〜40代の女性に多い傾向があります。
症状
薬を飲んだ後、1時間以内に鼻水、鼻づまり、顔面の紅潮、そして激しい咳や呼吸困難が起こります。時に、消化管症状(腹痛、嘔気、下痢)、時に胸痛や瘙痒、蕁麻疹なども認めます。
合併症
慢性副鼻腔炎(蓄積膿症)や鼻ポリープ(鼻茸)を合併していることが非常に多く、これらがアスピリン喘息を疑う重要な指標となります。
メカニズム
一般のアレルギーとは異なり、アラキドン酸の代謝バランスが崩れ、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に産生され、激しい気管支喘息を起こす疾患です。
注意点
*発症すると原則として一生涯、原因となる薬剤を避ける必要があります。
*アスピリン喘息は重症です。私も、勤務医の時に、鎮痛剤を服用して呼吸困難を起こして来院した女性を診察したことがありますが、その方は重症になり人工呼吸器を装着して治療しました。
*すべてのNSAIDs(アスピリン、ロキソニン、インドメタシン、ボルタレン、ブルフェン、ナプロキセン、ポンタール、スルピリンなど)が対象になります。
*ガイドラインでは、比較的安全とされる代替薬(アセトアミノフェン)を投与する場合でも、念のため投与後最短2時間は医療従事者の監視下で経過を観察することが推奨されています。アセトアミノフェンは1回あたりの用量を300mg以下(日本人)に抑えれば、比較的安全に使用できます。
*ほかには、チアミド塩酸塩(ソランタール)などは比較的安全とされています。
*葛根湯などの漢方薬は安全に使用できる薬剤としてガイドラインに記載されています。
*歯科や整形外科を受診する時は、歯科医や医師に、鎮痛剤服用で咳、呼吸苦などの症状が出現したことがあると必ず申告してください。
まとめ
アスピリン喘息は、あまり知られていませんが、重症化する喘息なので十分に注意してください。特に女性は鎮痛剤を飲むことが多いのでなおさらです。この病気を知らない医療従事者もいるので気お付けてください。
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2026年4月29日 水曜日
喘息の管理、診断、治療、および医療体制における主な問題点を整理して解説します
1. 患者の自己管理とアドヒアランス(服薬遵守)の問題
*アドヒアランスの不良
特に多忙な社会人の医療機関受診の遅れや服薬コンプライアンスの悪さが指摘されています。この理由として、治療の理解不足、動機付けの欠如、治療法の複雑さ、経済的・社会的理由が挙げられます。
*自己判断による中断
症状が消えると、医師の指示を待たずに自己判断で服薬(吸入も含む)を減量・中止してしまうケースが多く、これが重症化や再発を起こす大きな問題となっています。
2. 吸入技術のエラー
*高いエラー頻度
吸入療法が喘息治療の中心ですが、多くの患者が正しく使用できず、手技エラーの頻度は25.7%から71.4%に達します。
*デバイスの多様性による混乱
多くの吸入デバイスが存在することが、患者だけでなく医療従事者の混乱も招き、手技エラーにつながっています。
3. 医療制度と移行期医療の課題
*移行期医療の不備
小児科から内科への受け渡しに関して、20歳での医療費助成終了による弊害、内科医の小児疾患への理解不足、小児科医と内科医の連携不足が問題となっています。
*強すぎる信頼関係
保護者と小児科主治医との関係が強すぎることがあり、また内科への転科を妨げられることが起こります。
*地域格差
喘息患者数は都道府県間で大きなばらつきがあり、救急体制の整備や医師と非医師の連携が困難な地域が存在します。
4. 診断と喘息の課題
*診断の難しさ
喘息は、他の心肺疾患(COPDや心不全、腫瘍など)との鑑別が重要ですが、時に誤診されたまま難治性として扱われるケースがあります。本来は呼吸器専門医が診断・治療をすべきですが、専門医の不足により、正しい診断・治療がなされていないケースを体験します。
*重症喘息への対応
それまでの治療(高用量吸入ステロイドなど)でもコントロール不良な喘息が5〜10%存在し、これらの症例に対する生物学的製剤の適切な対処や、副作用の強い全身ステロイド薬の回避が課題です。
私も、喘息の審査員をしておりますが、ステロイドの投与を毎日継続的に行っている医療機関や漢方薬を複数投与したりする医療機関があります。
このような治療は非常に危険です。
さらに、生物学的製剤に関する知識が十分でなく不適切な投与をしている医療機関があります。
5. 社会的損失と喘息死
*治療の遅れ
喘息死の最大の原因は、正しい治療の遅れという社会問題です。
*周囲の理解不足
職場や学校で喘息であることを隠しそうとして吸入治療を行わず、結果として重症化するケースがあります。
まとめ
1)一番の問題は、喘息を正しく診断し治療できる呼吸器専門医が圧倒的に少ないことだと思います。呼吸器科以外の医師の場合には誤診する可能性があると思います。
2)治療に関しては、医師が吸入の仕方などを説明すべきですが、ほとんどの医師は行っていません。また、薬剤師もあまり詳しく説明してないと思います。ですから患者さんも正しい治療(吸入)ができないのだと思います。
3)喘息の治療の基本は吸入でありますが、患者さんは、症状が改善すると中止することが多く、再発作を起こします。この点に関しては、医師が十分に必要性を説明すべきです。
4)医療制度の問題は、明確に16歳を目安に、小児科医が専門の医師に医療を任せるようにすべきだと思います。
5)難治性喘息に関しては、私も苦い経験がありますが、ステロイドの副反応を防ぐために、内服を発作時に限り使用する。予防のための吸入を定期的に必ず行う。それでもコントロ-ルができない場合には、患者さんに合った生物学的製剤を選択することが大切です。
6)現在、喘息死は減少していますが、年間1.000から1.500人ぐらいの患者さんが亡くなっています。要因は治療の遅れが75%です。仕事の疲労やストレスにより発作が起きたり、仕事を優先し治療が遅れることで亡くなります。
現在、喘息は治療薬が進歩していますので、正しい診断・治療を行えば、重症化せず、日常生活を送れると思います。
今後も、喘息死がゼロになるように努めたいと思っています。
*アドヒアランスの不良
特に多忙な社会人の医療機関受診の遅れや服薬コンプライアンスの悪さが指摘されています。この理由として、治療の理解不足、動機付けの欠如、治療法の複雑さ、経済的・社会的理由が挙げられます。
*自己判断による中断
症状が消えると、医師の指示を待たずに自己判断で服薬(吸入も含む)を減量・中止してしまうケースが多く、これが重症化や再発を起こす大きな問題となっています。
2. 吸入技術のエラー
*高いエラー頻度
吸入療法が喘息治療の中心ですが、多くの患者が正しく使用できず、手技エラーの頻度は25.7%から71.4%に達します。
*デバイスの多様性による混乱
多くの吸入デバイスが存在することが、患者だけでなく医療従事者の混乱も招き、手技エラーにつながっています。
3. 医療制度と移行期医療の課題
*移行期医療の不備
小児科から内科への受け渡しに関して、20歳での医療費助成終了による弊害、内科医の小児疾患への理解不足、小児科医と内科医の連携不足が問題となっています。
*強すぎる信頼関係
保護者と小児科主治医との関係が強すぎることがあり、また内科への転科を妨げられることが起こります。
*地域格差
喘息患者数は都道府県間で大きなばらつきがあり、救急体制の整備や医師と非医師の連携が困難な地域が存在します。
4. 診断と喘息の課題
*診断の難しさ
喘息は、他の心肺疾患(COPDや心不全、腫瘍など)との鑑別が重要ですが、時に誤診されたまま難治性として扱われるケースがあります。本来は呼吸器専門医が診断・治療をすべきですが、専門医の不足により、正しい診断・治療がなされていないケースを体験します。
*重症喘息への対応
それまでの治療(高用量吸入ステロイドなど)でもコントロール不良な喘息が5〜10%存在し、これらの症例に対する生物学的製剤の適切な対処や、副作用の強い全身ステロイド薬の回避が課題です。
私も、喘息の審査員をしておりますが、ステロイドの投与を毎日継続的に行っている医療機関や漢方薬を複数投与したりする医療機関があります。
このような治療は非常に危険です。
さらに、生物学的製剤に関する知識が十分でなく不適切な投与をしている医療機関があります。
5. 社会的損失と喘息死
*治療の遅れ
喘息死の最大の原因は、正しい治療の遅れという社会問題です。
*周囲の理解不足
職場や学校で喘息であることを隠しそうとして吸入治療を行わず、結果として重症化するケースがあります。
まとめ
1)一番の問題は、喘息を正しく診断し治療できる呼吸器専門医が圧倒的に少ないことだと思います。呼吸器科以外の医師の場合には誤診する可能性があると思います。
2)治療に関しては、医師が吸入の仕方などを説明すべきですが、ほとんどの医師は行っていません。また、薬剤師もあまり詳しく説明してないと思います。ですから患者さんも正しい治療(吸入)ができないのだと思います。
3)喘息の治療の基本は吸入でありますが、患者さんは、症状が改善すると中止することが多く、再発作を起こします。この点に関しては、医師が十分に必要性を説明すべきです。
4)医療制度の問題は、明確に16歳を目安に、小児科医が専門の医師に医療を任せるようにすべきだと思います。
5)難治性喘息に関しては、私も苦い経験がありますが、ステロイドの副反応を防ぐために、内服を発作時に限り使用する。予防のための吸入を定期的に必ず行う。それでもコントロ-ルができない場合には、患者さんに合った生物学的製剤を選択することが大切です。
6)現在、喘息死は減少していますが、年間1.000から1.500人ぐらいの患者さんが亡くなっています。要因は治療の遅れが75%です。仕事の疲労やストレスにより発作が起きたり、仕事を優先し治療が遅れることで亡くなります。
現在、喘息は治療薬が進歩していますので、正しい診断・治療を行えば、重症化せず、日常生活を送れると思います。
今後も、喘息死がゼロになるように努めたいと思っています。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年4月27日 月曜日
日本人の80%は不安遺伝子を持っている
日本人は、遺伝的・歴史的に見て非常に「不安を感じやすい」性質を持っていることが裏付けられています。
その主な理由は以下の3つのポイントにあります。
1.圧倒的に高い「不安遺伝子(S型)」の保有率
科学的な調査により、日本人の約80%がS型を保有していることが判明しています。さらに、65-68%が最も不安を感じる「SS型」を保有しています。
これは他国と比較すると目立って高い数値です。
中国人:75%
台湾人:70%
アメリカ人:約44%
南アフリカ人:約28%
(中国人、台湾人も高い保有率です)
この遺伝的特性により、日本人は物事を考え過ぎて、不安になる傾向にあると思います。
2. 限界な自然環境
おそらく日本人にこの遺伝子があるのは、日本の地理的関与が関係していると考えられています。
日本は歴史的に地震や台風などの自然災害が非常に多い国です。
最近も地震、山火事などの災害が非常に多いです。
このような厳しい環境下では、楽観的な人よりも、常に不安を感じて最悪の事態に備えていた人の方が、生き延びる確率が高くなります。
その結果、長い年月を経て不安を感じやすい遺伝子を持つ人が生き延びたと考えられます。
3. 不安を加速させる現代の社会的背景
遺伝的な要素に加え、現代特有の懸念が日本人の不安をさらに高めています。
経済的ストレス:日本人の一番のストレス源は「給与の安さ」「老後の生活や年金」「物価が高い」といった「経済面への不安」が1位となっています。
SNSの影響:特に若年層では、SNSで他人の充実した生活(ハイライト)を見ることで、自分だけが取り残されていると感じるFOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐怖)によって不安を感じます。
孤独の問題:日本では「ひきこもり」や「8050問題」といった深刻な社会的孤独が、問題になっています。
*「8050問題」ちは、80歳の高齢の親が、50歳代の未婚・無職や引きこもりの子供を世話するという社会問題です。
まとめ
不安を感じるのは、危機を察して脳が起こす反応であり、悪いものではありません。しかし、過剰になると不安障害という病気になりますので注意が必要です。
他人と比較せず、自分が好きな事や出来る事をして、自分の居場所を見つけ、自分を肯定し、自己を形成することが大切です。また、適度な運動や十分な睡眠も大切です。SNSは何となくだらだら見るのではなく、目的を持って見ることが必要だと思います。
その主な理由は以下の3つのポイントにあります。
1.圧倒的に高い「不安遺伝子(S型)」の保有率
科学的な調査により、日本人の約80%がS型を保有していることが判明しています。さらに、65-68%が最も不安を感じる「SS型」を保有しています。
これは他国と比較すると目立って高い数値です。
中国人:75%
台湾人:70%
アメリカ人:約44%
南アフリカ人:約28%
(中国人、台湾人も高い保有率です)
この遺伝的特性により、日本人は物事を考え過ぎて、不安になる傾向にあると思います。
2. 限界な自然環境
おそらく日本人にこの遺伝子があるのは、日本の地理的関与が関係していると考えられています。
日本は歴史的に地震や台風などの自然災害が非常に多い国です。
最近も地震、山火事などの災害が非常に多いです。
このような厳しい環境下では、楽観的な人よりも、常に不安を感じて最悪の事態に備えていた人の方が、生き延びる確率が高くなります。
その結果、長い年月を経て不安を感じやすい遺伝子を持つ人が生き延びたと考えられます。
3. 不安を加速させる現代の社会的背景
遺伝的な要素に加え、現代特有の懸念が日本人の不安をさらに高めています。
経済的ストレス:日本人の一番のストレス源は「給与の安さ」「老後の生活や年金」「物価が高い」といった「経済面への不安」が1位となっています。
SNSの影響:特に若年層では、SNSで他人の充実した生活(ハイライト)を見ることで、自分だけが取り残されていると感じるFOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐怖)によって不安を感じます。
孤独の問題:日本では「ひきこもり」や「8050問題」といった深刻な社会的孤独が、問題になっています。
*「8050問題」ちは、80歳の高齢の親が、50歳代の未婚・無職や引きこもりの子供を世話するという社会問題です。
まとめ
不安を感じるのは、危機を察して脳が起こす反応であり、悪いものではありません。しかし、過剰になると不安障害という病気になりますので注意が必要です。
他人と比較せず、自分が好きな事や出来る事をして、自分の居場所を見つけ、自分を肯定し、自己を形成することが大切です。また、適度な運動や十分な睡眠も大切です。SNSは何となくだらだら見るのではなく、目的を持って見ることが必要だと思います。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
































