寺尾クリニカブログ

2026年2月24日 火曜日

若年性アルツハイマー型認知症:90%は生活習慣が要因で回避可能。

若年性アルツハイマー型認知症は、65歳未満で発症するアルツハイマー病は若年性認知症の原因疾患として最も頻度が高いものです。
アルツハイマー病と比較して、遺伝による問題が強く、進行が早く、非典型的な症状が現れやすいという特徴があります。年齢は50歳代に多いとさています。

現状と特徴をまとめます。
1. 日本における現状と疫学
•最大の原因疾患:日本の最新調査(2017~2019年度)によると、若年性認知症全体の52.6%をアルツハイマー型が認めています。
日本全体で若年性認知症者は約3.57万人推計されており、その過半数がこの疾患です。
•診断精度の向上:前回調査(2006~2008年度)では脳血管性認知症が最も多いですが、現在はアルツハイマー型が最も多くなっています。これは、社会的な認知度の向上や、医療機関による診断精度の向上が背景にあると考えられています。

2. 原因と遺伝の背景
•若年性アルツハイマー病は強い遺伝的要素を持つことが多く、10%で遺伝子が受け継がれると50%の確率で発症します。

・残りの90%は、喫煙、過度な飲酒、生活習慣病、運動不足、睡眠不足、頭部外傷などが要因です。

・また、精神的にストレスを溜めたり、落ち込みやすかったり、社交性に乏しいなどの性格も要因です。

3. 症状の特徴:典型例と非典型例
若年性の場合、高齢者とは異なる症状の現れ方をすることがあります。

典型的な症状:初期症状の66.6%は「もの忘れ」ですが、同時に仕事や家事でのミス(38.8%)も目立ちます。

非典型的な症状:(約37.5%):記憶障害以外に、視覚障害(眼は健康だが見え方がおかしい、ゆがんで見える)、空間認知障害(物との距離感がつかめない)などがあります。
うつ病との混同20-30%が「うつ状態」を呈するため、働き盛りのストレスや更年期障害、精神疾患と誤って診断される事が多々あります。

4. 社会・経済への影響
働き盛りの世代で発症するため、社会生活に支障を来たします。
•就労の失敗:発症時には約6割が働いていますが、診断後にはその約7割が退職をしています。
•家計の困難:当面収入が減少したと感じる家庭は約6割に上り、主な収入源が障害年金や生活保護に切り替わることが多いのが現状です。
•家族の負担:子育てや親の介護を同時に世代であるため、ご家族や子供さんにかかる精神的・経済的負担は計り知れません。

5. 治療
現在、内服が承認されていますが、これらは症状を一時的に緩和するものであり、進行を止める根本治療法はまだ確立されていません。

若年性アルツハイマー型認知症は、早期発見に適切なサポート(若年性認知症支援コーディネーターの活用など)を受ける事が、ご本人とご家族の生活を守るために重要です。

6.対策と予後
ご本人は認めたくないと思いますが、ご家族が異変に気が付いたら、すぐに若年性アルツハイマー型認知症の専門医を受診して下さい。
空間認知障害があり、物の位置、距離の認識が困難で交通事故にあう事、転倒、骨折が多く、進行が早く寿命が短いです。平均寿命は10-15年位です。

7.予防
若年性アルツハイマー型認知症は、10%は遺伝子で回避できないです、しかし、90%はあなたの喫煙、飲酒、食事、運動さらに気持ち次第です。残酷な未来を回避するのは、あなたの自律です。ご家族のためにも手遅れになる前に生活習慣を改善しましょう。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

2026年2月22日 日曜日

HPVワクチンの推奨の一時停止が国民に与えたもの

私は、ほとんどTVは見ないのですが、先日、たまたまHPVワクチンのCMを見ました。
今回、予防医療が必要だと考え、またこの空白の時期により被害を被る女性の事を思いブログを書きました。

国が、積極的なヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの推奨を停止したことで、日本国民のワクチンに対する信頼は著しく低下し、世界的に見てもワクチンへの信頼度は最低レベルとなっています
今回の停止の影響は以下のように現れています。

1)国民の信頼の崩壊
2013年に厚生労働省がHPVワクチンの積極的な推奨を停止するという決定は、副作用の可能性が報告されたことを受けて、国民のワクチンへの信頼の低下の主な原因として挙げられています。
世界五大医学雑誌「ランセット」に掲載された主要な調査によると、ワクチンに対する認識に関して日本は世界で最も低いランクにあることがわかりました。

*ワクチンが安全だと考える日本人の回答者はわずか8.9%。
*ワクチンが有効だと考える日本人はわずか14.7%


2)公衆衛生への「波及効果」
HPVワクチンをめぐる論争によって生じた不信感は、もはや孤立したものではなく、麻疹ワクチンなど他の定期予防接種への信頼にも悪影響を及ぼす「波及効果」を生み出しています。
ワクチンに対する一般的な信頼の低下は、日本における麻疹などの予防可能な病気の再発生と関連していると思います。

3)証拠に基づく政策の弱点
推奨の停止は、科学的証拠に基づいてワクチン政策を策定するための強力なメカニズムの欠如を示していると思います。
日本の政策決定は、客観的なデータに基づいて長期的な利益とリスクを比較検討するのではなく、一時的なメディア主導の世論や社会的な圧力に大きく影響されることが多いと思います。
ワクチンの有効性と安全性を裏付ける国内外の広範な証拠が蓄積されているにもかかわらず、政府は積極的推奨の停止を何年も続け、HPVワクチン接種率は今も低いです。
2022年4月に再開しましたが、2025年9月時点で全体の接種率は26.1%で、2025年5月時点で高校1年生女子の初回接種率は41.9%でした。一方、オーストラリアやイギリス、北欧においては80-90%の接種率です。
この遅れは酷いものです。

その結果、先進国においては、子宮頸がんの罹患数は減少傾向にありますが、日本においては、逆に増加傾向であり30歳代以下の女性に増加しています。
子宮頸がんの死亡数は毎年2,800人から3,000人ですが2000年から2003年生まれは年間4,000人に増加すると予想されています。
これは大阪大学などの研究チームがランセントに示した一日3人の死亡数が増えるという推計から割り出しています。


当院ではワクチン接種を希望されるのは、ほとんどが外国人(中国人、韓国人)で日本人はいません。最近半年は、HPVワクチン接種を希望する人は全くいない状況です。

4)個人の健康リテラシーへの影響
推奨の停止により、情報が積極的に提供されない文化が生まれ、国民は自主的にデータを探す必要があります。
多くの人が当局からの積極的な情報を得られないので、気づかないうちにワクチン接種の最適な時期を逃してしまいます。
私は、厚生労働省に、HPVワクチンの副反応などについて電話で問い合わせたことがありますが、検討中であるという返答でした。役に立ちません。
情報を隠蔽していると思います。
COVID-19の時も隠蔽だらけです。


5)終わりに
国民からの信頼を回復するには、国は、本気で国民が必要としている医療情報を素早く、正確に提供することが望まれます。また、今回の停止で、今後多くの若い女性が癌に苦しみ、命を亡くすと予想されます。
国は、この事実を深く受けとめ、国民の命を守ることに全力で努め、国民が健やかに生活できるようにしてもらいたいです。もっと働いてもらいたいです。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

2026年2月20日 金曜日

インフルエンザはただの熱ではないです

多くの人は、インフルエンザを一時的な肺の感染症、つまり1週間の咳、高熱、頭痛などの症状が、治まるものと考えています。そして、傷跡が喉と胸部に限局している呼吸器疾患として捉えています。しかし、最新の神経免疫学は、この見方が危険であることを示唆しています。
肺で起こった出来事が肺にとどまるだけではなく、最近の研究では、インフルエンザが神経系との橋渡しとなり、解熱後も長期間にわたって脳に変化をもたらす連鎖反応を引き起こすことが明らかになっています。
おそらく最も衝撃的なのは、インフルエンザの「非神経向性」株、つまりH1N1のように脳に物理的に侵入しない株でさえ、他の組織に大規模な全身性炎症を引き起こすことで脳に炎症を起こす可能性があるという発見です。
インフルエンザは単なる季節的な感染症ではなく、私たちの心の構造そのものを変えてしまう複雑な生物学的現象なのです。

インフルエンザの感染は、精神疾患発症リスクを高める可能性があることが、最新の研究や資料によって示唆されています。
具体的には、以下のようなメカニズムが関与していると考えられています。

1. 精神疾患に関連する遺伝子発現の変化
特定のインフルエンザ株(H3N2やH7N7など)に感染すると、脳の海馬に、精神疾患と密接にする遺伝子の発現がみられることが確認されています。
妊婦さんがインフルエンザに感染すると、胎児が将来的に精神疾患(統合失調症など)を発症する可能性が高いです。

2. 脳内の炎症(神経炎症)とサイトカインの影響
インフルエンザ感染により放出される炎症性サイトカイン(病原体からわれわれの体を守ってくれるタンパク)は、脳内の免疫細胞を活性化させます。これらのサイトカインは、過剰に産生されると、逆に臓器(脳)を障害するようになります。従って、従来の行動や認知機能に重大な悪影響を及ぼすと言われています。インフルエンザは、脳内で炎症を起こし、これが数週間から数ヶ月続く慢性的な炎症状態になると、精神疾患の発症リスクを高めると考えられています。

3. 脳の構造のダメージ
記憶や感情を司る海馬は、インフルエンザによる炎症に過敏に反応して、記憶の障害や認知機能の低下を招き、精神医学的な症状につながる可能性があります

4.まとめ
これらの知見は、インフルエンザが呼吸器疾患に留まらず、脳の免疫系や遺伝子制御に長期的な影響を及ぼし、将来、精神疾患(統合失調症など)や神経変性疾患(パーキンソン病など)を引きおこす可能性があることを示しています。
従って、たかがインフルエンザと軽視せず、インフルエンザワクチンを接種し、感染予防を十分行うことが必要です。また、妊婦さんは、ご自身だけでなく胎児を守るためにもワクチン接種を必ずして下さい。インフルエンザに罹らないようにしてください、ましてや何回も感染することは許されません。
今、当院でも毎日インフルエンザの患者さんが来院しています。すべてが、若い世代で、ワクチン接種はしていません。ものすごく危険だと思います。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

2026年2月 8日 日曜日

過去10年で最大(平均の最大2.5倍)の花粉飛散に直面します。

私たちは過去10年で最大(平均の最大2.5倍)の花粉飛散に直面します。
2026年のシーズンは、要注意です。
 「重症」花粉症の症状は
• 1日に10回以上の激しいくしゃみ・鼻かみ。
• 一日中続く鼻づまりで、夜も眠れず口呼吸に。
• 著しい集中力の低下(特に男性に顕著です)や、イライラによる感情の不安定。

 今すぐできる対策は
*物理的ガード: ゴーグルや高機能マスクの準備をしてください。
*漢方の知恵: 仕事中の眠気を避けたい時、小青竜湯などの漢方を体調に合わせて使い分ける方法があります。
*初期治療: 予防的に薬の服用を開始してください。
*服装に注意:ウールは花粉を吸着するので避けてください。
*玄関で行う事:部屋に入る前に、服や髪についた花粉を払って下さい。

ステロイド注射は絶対にやめてください。
*免疫低下 (風邪、インフルエンザ、コロナ)*消化性潰瘍 *大腿骨頭壊死(骨が死んで歩けなくなる)
*緑内障による失明 *糖尿病 *高血圧 *生理不順 *無月経などの副反応があります。
後悔しないようにしてください。

生物学的製剤「ゾレア」と費用。
当院では、すでに今シーズン4名の方が最新の「ゾレア」を開始しています。
注射は、花粉に対する抗体であるIgEを減少さえてアレルギ-反応を改善させるうすりです。
ステロイドのような破壊的なリスクなしに、改善をもたらします。かなり効果はあると思われます。
3年連続で来院されている患者もおります。
ゾレアの費用は高いですが、以前よりはかなり安くなっております。
「高い」と諦めないでください。高額療養費制度を使えば、年収に応じた自己負担上限額で治療が受けられます。
ぜひご自身の所得区分と制度について調べてみてください。

さらに最近はデジタル管理ツールやウエアラブルデバイスもありますのでご利用下さい。
MASK-air、Respirayなど

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

2026年2月 6日 金曜日

花粉症が今年はつらいですよ

先月の下旬から、杉花粉がとびはじめました。

軽症の方は内服、点鼻薬、目薬で症状がおさまりますが、

中等度、重症の方は注射をしないと、症状は治まらないと思います。

特に今年はk花粉の量が多いので大変です。

実は、私も今日期日前投票で昼に出かけましたが、鼻水が止まりません。

花粉に以前はステロイドの注射をしていましたが、最近はほとんどのクリニックでは中止にしています。

特に、耳鼻科ではやりますん。

副作用があるからです。

今は、生物学的製剤があり、これがかなり効果があります。

ただし、杉にたいする抗体がある程度ないと接種でできません。

ご希望の方はご連絡下さい。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

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