寺尾クリニカブログ

2025年6月22日 日曜日

がん死亡を減らすためには

がんセンターの統計によりますと
2020年に新たに診断されたがんは945,055人(男性534,814人、女性410,238人)です。
2023年にがんで死亡した人は382,504人(男性221,360人、女性161,144人)です。
死因別にみると、死因順位の第1位はがん(全死亡者に占める割合は24.6%)、 第2位は心疾患(高血圧性を除く)(同14.8%)、第3位は老衰(同11.4%)です。
2009~2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で64.1 %(男性62.0 %、女性66.9 %)です。
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2020年データに基づく)男性62.1%(2人に1人)女性48.9%(2人に1人)です。
日本人ががんで死亡する確率は(2023年のデータに基づく)
男性24.7%(4人に1人) 女性17.2%(6人に1人)です。
2020年のがん罹患数の順位は、1位大腸がん 2位肺がん 3位胃がん 4位乳がん 5位前立腺がんです。
2023年のがん死亡数の順位は1位肺がん 2位大腸がん 3位すい臓がん 4位胃がん 5位肝臓がんです。
以前から言われていますが、日本人の死亡数が多いのは癌であり、その中の肺がん、大腸がん、すい臓がん、胃がん、肝臓がんの予防および早期発見することが医療に求められています。
肺がん、大腸がん、胃がん、肝臓がんに関しては、胸部レントゲン、便検査、胃カメラ、血液検査などで早期発見は可能であると考えますが、すい臓がんに関する検診がないので医療従事者がすい臓がんを疑いながら診察をする必要があります。すい臓がんになりやすい人は、慢性膵炎や糖尿病に罹患している人、肥満の人、喫煙者、血縁にすい臓がんになった人がいる人です。
つまり、国民はがんにならないような生活習慣(不規則な過剰な食事を避け、適度な運動を行い、十分な睡眠をとり、ストレスを軽減し、禁煙をするなど)を身に着け、健康診断を定期的に受ければ予防、早期発見につながりがんで亡くなることが減少すると考えます。

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2025年6月 5日 木曜日

帯状疱疹予防ワクチンについて

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。
このウイルスは感染したあと、生涯にわたって、神経節と呼ばれるところに潜伏しています。高齢になったり、ストレスを受けたりすることで、免疫の働きが弱まったときに、潜んでいたウイルスが再び活性化して、皮膚のかゆみ、発疹、水膨れ、強い痛みなどの症状を引き起こします。多くは上半身に見られます。
増加傾向が続いており、発症率は各年代で上がっています。

ワクチンは帯状疱疹予防に有効であり、2種類のワクチンがあります。
1) 生ワクチン
ウイルスを弱毒化した「生ワクチン」で、小児が水疱瘡の予防の際に接種するものと同じです。接種回数は1回です。
アメリカとヨーロッパのデータでは、帯状疱疹の発症を防ぐ予防効果は50歳台で69.8%、また、アメリカの研究では60歳以上で51.3%となっています。
接種から5年たっても、4割程度の予防効果があるとされます。
ただし、免疫の下がっている人は接種できません。
2) 不活化ワクチン
「組み換えワクチン」とも言われる「不活化ワクチン」で、ウイルスの表面にある一部のたんぱく質とともに、免疫の働きを高める物質が入っています。
2か月以上空けて、2回接種します。
日本を含む18か国で行われた臨床試験では、帯状疱疹の発症防ぐ効果は50歳台で96.6%、60歳台で97.4%、70歳以上で97.9%だったとしています。
また、接種から10年たっても、7割程度の予防効果があるとされます。
免疫の状態にかかわらず接種できます。

副反応
生ワクチンの方は、接種した部位の痛みなどが報告されています。
一方で、組み換えワクチンの方は、接種した部位だけでなく、疲労やけん怠感など、他の部位や全身の症状も報告されています。

定期接続の対象
今年度内に65歳になる人です。
今年度から定期接種になったということで、65歳以上の人全員が定期接種を受けられるよう、5年間の経過措置として、年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳になる人も対象です。
さらに今年度100歳以上の人やHIVに感染し、免疫機能に障害がある60歳から64歳の人も対象になっています。

費用
自費で接種すると、生ワクチンの場合、1万円程度となっています。
一方、組み換えワクチンは2回合わせて4万円程度します。
定期接種の対象の人は、自己負担額が低くなります。
自治体によって異なりますが生ワクチンなら4000円から5000円
不活化ワクチンなら2回で2万円から2万5000円ほどです。

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2025年6月 3日 火曜日

生活習慣病

生活習慣病とは、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣に関係して発症する病気のことを指します。栄養バランスの悪い食生活や不健康な生活習慣が長く続いた場合には、内臓に脂肪が蓄積して生活習慣病を発症してしまうと考えられます。
3大生活習慣病は、がん(悪性新生物)、心疾患(急性心筋梗塞、狭心症、心不全など)、脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)です。
厚生労働省の「令和2年(2020年)人口動態統計」によると、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患の3つで死因の約50%を占めています。2023年の統計では、がん死亡数は38万人(男22万人、女26万人)で、内訳は胃がん、大腸がん、肺がんが多いです。
また、3大生活習慣病に、高血圧性疾患(高血圧症、高血圧性心不全など)、糖尿病、肝疾患(肝硬変、肝炎、脂肪肝など)、腎疾患(尿管結石、慢性腎不全、腎盂炎など)を加えたものを7大生活習慣病といい、さらに、膵疾患(慢性膵炎など)を加えたものを8大生活習慣病といいます。
生活習慣病の予防、治療は、生活習慣の改善が必要です。運動習慣をつけること、食生活の改善、禁煙、減酒を行い、最後に内服する事です。

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2025年6月 1日 日曜日

大人の突然死に注意してください。

大人の突然死は、健康に見えていた人が予兆なく急に亡くなるケースを指します。主な原因として、心臓疾患、脳血管障害、呼吸器疾患などが考えられます。 
特に、40代・50代の働き盛りの男性に多く深夜に発生しやすい傾向があります。また環境の変化や精神的なストレスが影響している可能性があります。
突然死の前兆としては、胸の痛み、疲労感、倦怠感、息切れ、肩こり、手足のしびれ、食欲不振などの症状が報告されています。
予防のためには、健診を受けて生活習慣病があれば治療管理が必要です。
呼吸器疾患の中では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は突然死のリスクを高めることが知られています。
特に重症例は健康人に比較して死亡率が2.6倍であると報告されています。
さらに、中等度以上の患者の4割が10年後に死亡すると報告されています。
中等度以上の患者は30-40%を占めています。
日本人は欧米人に比べて肥満度が低くても顔面骨格が小さく気道が狭くなる事が影響していると考えられています。
SASは睡眠中に低酸素血症になるため交感神経が緊張して高血圧になり、心臓疾患(心筋梗塞、不整脈など)や脳血管障害に至りやすいと考えられます。
SASは、いびき、無呼吸、昼の眠気、倦怠感などがありますので、このような症状がある場合には医療機関(呼吸器科)を受診して突然死を予防するようにして下さい。

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2025年5月25日 日曜日

発展途上国で発生しやすい感染症が日本でも多い

エイズ、結核、マラリア、破傷風、はしか、ポリオなどの感染症は発展途上国に多いです。発展途上国は、経済的に貧しく、医療整備が遅れており、教育レベルの低さなどにより医療情報や知識が少ないなどの理由でこれらの病気が多く、流行しやすいです。
しかし、日本において、エイズと結核はほかの先進国に比較するとかなり多いです。
国の医療体制の低さ、甘さがありますが、また国民の危機感の欠如もおおいに問題です。これは、他の分野においても危機感の欠如が問題であります。
エイズは人免疫不全ウイルス(HIV)が血液や体液を介して、人から人に感染する病気です。
日本では、経済的に先進国なみであり、大学進学率が高く情報や知識も多いと思いますが、社会全体の関心が低く感染予防を真剣に考えている人が少ないからだと思います。
現在日本人は結核に関する知識の低さ、危機感の欠如が著しいと思います。
日本の結核患者数は2022年には1万人を超えており、世界のTOP10に入っています。とても先進国とは言えません。
結核は昔の病気ではありません。日本の高齢者は結核の既往歴のある人が多く、高齢になり免疫が低下して結核を発症する人が多いですが、最近は海外から結核に罹患した学生や就労者が入ってきて、日本人が結核に罹患することが多いです。
このことに関しては、国はもっと国民の健康を守るために、入国に際して厳格なる感染予防体制をとるべきだと思います。
若い医師は結核の患者を診察したこともなく、レントゲンを見たこともないので、結核を見逃す可能性もありますので、結核に対する研修を十分に行う必要があります。
また、国民一人一人もしっかり感染予防(手洗い、うがい、マスクの着用など)をしなければならないと思います。
コロナ感染から経験した事、学んだ事を生かして、国民一人一人が感染予防を常に行うようにすれば感染症は減ってくると考えます。

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