寺尾クリニカブログ
2026年6月 8日 月曜日
【2026年最新】麻疹(はしか)の国内流行状況と対策
今年に入り、麻疹の発症が増加していますが、患者さんに聞いても、意外に麻疹にについて知らない方が多く、麻疹は感染力が最強で危険な感染症なので、十分な知識を持ってもらいたいので記事にしました。
1. 流行の現状と背景:なぜ今、大人の間で増えているのか?
感染者数の急増: 2026年の全国の感染者数は前年比3倍超に急増しており、東京都内でも報告数が目立って増加しています。
成人の感染が中心: 今回の流行の大きな特徴は、患者の8割以上が「大人世代」である点です。
海外からの「輸入事例」が端緒: 日本は2015年に「麻疹の排除状態」と認定されましたが、これは国内固有のウイルスが根絶されたという意味にとどまります。今回は、海外の流行地域(インドネシア、韓国、ベトナム、米国、英国など)からの持ち込み(輸入事例)と、それに伴う国内での二次感染が背景にあります。
私が開業している新宿区では20歳台のひとの感染が多いです。
小学校でも外国人の子供がら感染しており、先生にも感染しています。
2. 麻疹の危険性と圧倒的な感染力
最強クラスの感染力(空気感染): ヒトに感染するウイルスの中で最強クラスの感染力を持ちます。通常の手洗いやマスクだけでは完全に防ぐことができず、免疫がない人が感染者と同じ空間(電車、職場、待合室など)にいるだけで感染する可能性があります。免疫がなければ、接触者のほぼ100%が発症します。
重大な合併症と死亡リスク: 単なる発疹性の病気ではありません。肺炎、中耳炎、脳炎などの重大な合併症を引き起こすことがあり、先進国であっても1,000人に1人程度の割合で死亡例が見られる非常に怖い病気です。
3. 私たちが取るべき予防と対策
ワクチン「2回接種」の徹底: 最も有効な予防法はワクチン接種です。特に「2回の接種」を完了しているかどうかが命運を分けます。
接種歴の確認と抗体検査: 自身の接種歴が不明な場合は、母子健康手帳を確認するか、母子手帳が見つからないことが多いので、医療機関での抗体検査(血液検査)を実施して、抗体が低い場合には、追加のワクチン接種(任意接種)を検討することが推奨されます。抗体検査につては、各自治体により対応が異なりますので、保健所に問い合わせてください。
受診時の最重要ルール(事前連絡): 万が一、麻疹が疑われる症状(高熱、咳、鼻水、発疹など)が出た場合は、医療機関に直接行くことは絶対に避けてください。 必ず事前に電話等で連絡を入れ、医療機関側の指示(専用の動線や待合室の指定など)に従って受診してください。周囲の免疫のない人(乳児や妊婦など)へ感染を拡大させないための鉄則です
当院でも、抗体検査およびワクチン接種はおこなっておりますので、お問い合わせください。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年6月 3日 水曜日
睡眠障害がもたらす心身への損害。24時間不眠は「飲酒状態」と同じ。
慢性的な睡眠障害は、私たちの身体、そして脳のパフォーマンスに、自覚している以上に深刻なダメージを与え続けます。今回は、臨床データが明かすその具体的なリスクについて、慌てず詳しく紐解いていきましょう。
*身体への影響:全身に及ぶサイレントな危機
睡眠の質が低下したり、時間が不足したりすると、全身の機能に悪影響が及びます。
心血管疾患のリスク上昇 睡眠不足は交感神経を緊張させ、炎症を増進させます。これにより、高血圧、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、不整脈などのリスクが高まります。
代謝障害と肥満の悪循環 ホルモンバランスが崩れて食欲が暴走しやすくなり、糖尿病や代謝障害の原因になります。
将来的な認知症リスク 睡眠中は脳の老廃物を掃除する時間でもあるため、慢性的な寝不足は将来的な認知症の発症リスクを高める要因になると指摘されています。
*脳への影響:当直明けの勤務や徹夜の勉強の危険性
さらに恐ろしいのは、自覚のないまま「脳の働き」が阻害されることです。記憶力や判断力が鈍り、仕事や生活でのミスを招きます。
驚くべき報告として、「24時間以上眠らない状態は、お酒を飲んでいる(飲酒運転)状態と同程度の作業能力しか発揮できない」というデータがあります。
私自身、かつて病院で当直をし、翌日も朝から夕方まで30時間以上続けて診療にあたっていたことが週に1回はありましたが、医学的に見ればこれは極めて危険な状態です。本人は真面目に頑張っているつもりでも、脳は酔っ払いと同じくらい働かなくなっているのです。
これは勉強も同じです。試験前の徹夜の勉強は能率が極めて悪く、実は意味がありません。人間の脳は「睡眠中」に記憶を整理し定着させる仕組みになっているため、寝ずに詰め込んでも脳に定着せず、翌朝には使い物にならなくなってしまいます。
*社会への影響:AI時代の光と、エッセンシャルワーカーの現実
睡眠障害は、個人だけでなく社会全体にも大きな損失(医療費の増大や生産性の低下)をもたらします。
幸いなことに現代は、AIの進化があります。業種によっては、AIをうまく活用して業務効率化を図ることで残業を減らし、ストレスを軽減させて睡眠時間を延ばせる可能性が大いにあります。
しかしその一方で、医療や介護、物流、交通など、どうしても現場で人間が動かなければ成り立たないエッセンシャルワーカーの方々は、AIによる代替が難しく、依然として厳しい状況が続きそうです。社会全体で彼らを支え、早期に対策を講じるシステム作りが重要です。
では、なぜ私たち日本人はこれほどまでに睡眠の質を落とし、悩まされてしまうのでしょうか。今後、AIロボットの使用や自動運転などの早期の対策が、求められます。
*身体への影響:全身に及ぶサイレントな危機
睡眠の質が低下したり、時間が不足したりすると、全身の機能に悪影響が及びます。
心血管疾患のリスク上昇 睡眠不足は交感神経を緊張させ、炎症を増進させます。これにより、高血圧、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、不整脈などのリスクが高まります。
代謝障害と肥満の悪循環 ホルモンバランスが崩れて食欲が暴走しやすくなり、糖尿病や代謝障害の原因になります。
将来的な認知症リスク 睡眠中は脳の老廃物を掃除する時間でもあるため、慢性的な寝不足は将来的な認知症の発症リスクを高める要因になると指摘されています。
*脳への影響:当直明けの勤務や徹夜の勉強の危険性
さらに恐ろしいのは、自覚のないまま「脳の働き」が阻害されることです。記憶力や判断力が鈍り、仕事や生活でのミスを招きます。
驚くべき報告として、「24時間以上眠らない状態は、お酒を飲んでいる(飲酒運転)状態と同程度の作業能力しか発揮できない」というデータがあります。
私自身、かつて病院で当直をし、翌日も朝から夕方まで30時間以上続けて診療にあたっていたことが週に1回はありましたが、医学的に見ればこれは極めて危険な状態です。本人は真面目に頑張っているつもりでも、脳は酔っ払いと同じくらい働かなくなっているのです。
これは勉強も同じです。試験前の徹夜の勉強は能率が極めて悪く、実は意味がありません。人間の脳は「睡眠中」に記憶を整理し定着させる仕組みになっているため、寝ずに詰め込んでも脳に定着せず、翌朝には使い物にならなくなってしまいます。
*社会への影響:AI時代の光と、エッセンシャルワーカーの現実
睡眠障害は、個人だけでなく社会全体にも大きな損失(医療費の増大や生産性の低下)をもたらします。
幸いなことに現代は、AIの進化があります。業種によっては、AIをうまく活用して業務効率化を図ることで残業を減らし、ストレスを軽減させて睡眠時間を延ばせる可能性が大いにあります。
しかしその一方で、医療や介護、物流、交通など、どうしても現場で人間が動かなければ成り立たないエッセンシャルワーカーの方々は、AIによる代替が難しく、依然として厳しい状況が続きそうです。社会全体で彼らを支え、早期に対策を講じるシステム作りが重要です。
では、なぜ私たち日本人はこれほどまでに睡眠の質を落とし、悩まされてしまうのでしょうか。今後、AIロボットの使用や自動運転などの早期の対策が、求められます。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年6月 1日 月曜日
「睡眠障害内科」を正式に標題し、専門的な診療を開始いたします
本日より、大変は医療機関として正式に「睡眠障害内科」を標榜し、専門的な睡眠治療を本格的に開始することをお知らせいたします。
**どうして今、睡眠の専門外来が必要なのか?
現代社会において、睡眠のトラブルを抱えている方は非常に増えています。
これまでの医学では、不眠は「うつ病などの他の病気の"おまけの症状(二次性不眠)"」と捉えられがちでした。 しかし、最新の世界基準では、不眠症特有が、独立して治療すべき重大な疾患であると定義されています。
不眠や睡眠障害を放置することは、身体の病気(高血圧や糖尿病)のリスクを高めるだけでなく、脳の感情ブレーキを低下させ、うつ病や不安障害などのメンタルの病気を直接の原因(先行症状)になることがわかっています。
** とりあえずできる「世界標準」の睡眠治療
これまでの日本の不眠治療は、「眠れないなら、まずは睡眠薬」という薬物療法に偏りがちでした。
日本でも一歩医療改正により、この認知行動療法が公的に認められるなど、国を挙げて「正しい睡眠医療」への大転換が始まっています。
肝心の「睡眠障害内科」では、これまで培ってきた呼吸器専門医・心療内科医としての40年以上の臨床経験を最大限に踏まえ、以下のような多角的なアプローチで睡眠の根本改善を目指します。
*睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの身体的アプローチ(呼吸器科の知見)
*睡眠に関する誤った思い込みや行動を整える「認知行動療法(CBT-I)」(心療内科の知見)
*患者さん次第のライフスタイルに合わせた、無理のない睡眠スケジュール指導
睡眠薬による一時しのぎではなく、医師のもと、あなたの脳と身体が自然に眠りを眠れるよう、根本から優しくサポートいたします。
**「たかが寝不足」と諦めずにご相談ください
「心が弱いから眠れないわけではない」
睡眠の質を上げることは、あなたのこれからの人生の質(QOL)を劇的に高め、将来の健康を守ることに直結します。
ベッドに入っても20分以上眠れず、焦ってしまう方
寝ても疲れない、日中に強い眠気がある方
家族にびきや呼吸の停止を指摘された方
睡眠薬を少しずつ減らしていきたい、頼りたくない方
何か細心の注意を払っても大丈夫です。新しくスタートした取り決めの「睡眠障害内科」に、どうぞお気軽にご相談ください。皆様が安心して深く眠れる日々をじっくりと過ごせるよう、誠心誠意サポートさせて頂きます。
**どうして今、睡眠の専門外来が必要なのか?
現代社会において、睡眠のトラブルを抱えている方は非常に増えています。
これまでの医学では、不眠は「うつ病などの他の病気の"おまけの症状(二次性不眠)"」と捉えられがちでした。 しかし、最新の世界基準では、不眠症特有が、独立して治療すべき重大な疾患であると定義されています。
不眠や睡眠障害を放置することは、身体の病気(高血圧や糖尿病)のリスクを高めるだけでなく、脳の感情ブレーキを低下させ、うつ病や不安障害などのメンタルの病気を直接の原因(先行症状)になることがわかっています。
** とりあえずできる「世界標準」の睡眠治療
これまでの日本の不眠治療は、「眠れないなら、まずは睡眠薬」という薬物療法に偏りがちでした。
日本でも一歩医療改正により、この認知行動療法が公的に認められるなど、国を挙げて「正しい睡眠医療」への大転換が始まっています。
肝心の「睡眠障害内科」では、これまで培ってきた呼吸器専門医・心療内科医としての40年以上の臨床経験を最大限に踏まえ、以下のような多角的なアプローチで睡眠の根本改善を目指します。
*睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの身体的アプローチ(呼吸器科の知見)
*睡眠に関する誤った思い込みや行動を整える「認知行動療法(CBT-I)」(心療内科の知見)
*患者さん次第のライフスタイルに合わせた、無理のない睡眠スケジュール指導
睡眠薬による一時しのぎではなく、医師のもと、あなたの脳と身体が自然に眠りを眠れるよう、根本から優しくサポートいたします。
**「たかが寝不足」と諦めずにご相談ください
「心が弱いから眠れないわけではない」
睡眠の質を上げることは、あなたのこれからの人生の質(QOL)を劇的に高め、将来の健康を守ることに直結します。
ベッドに入っても20分以上眠れず、焦ってしまう方
寝ても疲れない、日中に強い眠気がある方
家族にびきや呼吸の停止を指摘された方
睡眠薬を少しずつ減らしていきたい、頼りたくない方
何か細心の注意を払っても大丈夫です。新しくスタートした取り決めの「睡眠障害内科」に、どうぞお気軽にご相談ください。皆様が安心して深く眠れる日々をじっくりと過ごせるよう、誠心誠意サポートさせて頂きます。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年5月30日 土曜日
世界一眠らない国・日本。睡眠が長ければ長生きするとは限らない?
心療内科・呼吸器科の臨床で、日々多くの患者さんから頂くのが「よく眠れない」「睡眠時間が足りない」という切実な悩みです。
国際調査でも、日本の平均睡眠時間は世界主要国の中でワーストクラス。「世界で最も睡眠時間が短い国」の一つです。
しかし、ここに大きなパラドックス(矛盾)があります。睡眠不足は寿命を縮めると言われるのに、日本は世界トップクラスの「長寿国」であり続けているのです。
「たくさん寝ないと早死にするのでは?」という疑問が湧きますが、実は臨床の現場や疫学データが示しているのは、「ただ長く寝れば長生きするわけではない」という事実です。
睡眠の短さを補う、日本特有の「底力」
日本人が睡眠不足のダメージを相殺し、長寿を維持できている背景には、これまでの日本特有の生活習慣や社会環境が大きく関係しています。
世界が注目する「和食」の力
魚や大豆製品、豊富な野菜を中心とした伝統的な和食は、抗酸化作用が高く、血管や内臓を守る栄養素が自然と摂れる優れた食生活です。
医療への圧倒的なアクセスの良さ
国民皆保険制度により、体調を崩せば誰でもすぐに質の高い専門医療(心療内科や呼吸器科など)にアクセスできる環境が、命の防波堤となっています。
守るべき「最低ライン」と自律神経のスイッチ
「毎日7〜8時間は寝なければ」と数字に一喜一憂し、布団に長く居続けることは、かえって眠りを浅くします。
ただし、健康を維持するための土台として、最低でも6時間の睡眠時間は確保することが大切です。これ未満になると、生活習慣病やメンタルのリスクが明確に上昇することが分かっています。
その上で、限られた時間で睡眠の質を高めるために、まずはできるだけ寝る前のスマホをやめることから始めましょう。画面の強い光は脳を興奮させ、深い眠りを妨げる最大の原因になります。
日中にしっかり運動(筋トレ)を行い、夜は湯船への入浴で身体をリラックスさせて、交感神経から副交感神経へと優しくスイッチを切り替える。このトータルの生活習慣のめりはりこそが、短くても「本当に脳と体が休まる質の高い睡眠」をもたらします。
焦らず、自分の睡眠を知ることから
「6時間しか寝られていない」と短絡的に不安になる必要はまったくありません。
実は、日本人がこれほど睡眠に悩む背景には、私たちが生まれ持つ「ある遺伝子の特性」や、現代特有の「脳の錯覚」が深く絡み合っています。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年5月26日 火曜日
「自由」の裏にある重いルール:他者への加害に対して厳格な欧米と甘い日本
前回の記事では、同じアジア圏である韓国やタイの厳格な受動喫煙対策を挙げ、日本の生ぬるい「不作為」を批判しました。
日本の行政や喫煙者はよく「自宅は個人のプライベートな空間だから自由だ」「多少の煙はお互い様(受忍限度)」という言葉を免罪符にします。しかし、公衆衛生の先進国である欧米に目を向けると、その認識は根底から覆されます。「たとえ個人の自宅であっても、他者に危害を加える場合は徹底的に法で規制する」という、妥協なき海外の現実をまとめます。
1. アメリカ:集合住宅の「完全禁煙化」と容赦ない強制退去
アメリカでは、「個人の自由」を重んじる国でありながら、受動喫煙に関しては共同住宅の"自宅内(専有部分)"であっても極めて厳しい規制が敷かれています。
公営住宅の全面禁煙化(連邦政府の規制)
米国住宅都市開発省(HUD)の規則により、全米のすべての公営住宅において、居室内を含む建物全体、および建物から約7.5メートル(25フィート)以内での喫煙が全面的に禁止されています。
民間マンションへの波及(カリフォルニア州など)
カリフォルニア州の多くの都市では、民間のアパートや分譲マンションであっても、「1つの壁や床を共有する集合住宅の専有部分」での喫煙を条例で禁止しています。当然、バルコニーやパティオも対象です。
厳しいペナルティ
違反者には高額な罰金が科されるだけでなく、規約違反として「強制立ち退き(退去処分)」の対象になります。「自分の家だから自由」は一切通用しません。
2. ヨーロッパ:子どもを守るためには「プライベート空間」にも法が介入する
ヨーロッパでも、「他者、特に子どもに煙を吸わせない」ための法規制が徹底されています。
自家用車内での喫煙禁止
イギリス、フランス、アイルランド、ドイツなどでは、「18歳未満の子どもが同乗している自家用車内での喫煙」は法律で一律禁止されており、高額な罰金が科されます。「車内は私的な空間だから」という言い訳は、子どもの健康リスクの前では完全に無効化されます。
裁判所が下す「喫煙時間の制限」
ドイツなどでは、ベランダからのタバコの煙が近隣住民の迷惑になっている場合、裁判所が「喫煙していい時間帯」を分単位で細かく指定する判決を出すなど、司法が居住空間の喫煙権を明確に制限しています。
3. 「危害原則」の哲学と、日本の致命的な遅れ
なぜ欧米はここまで個人の空間に踏み込めるのでしょうか。その根底には、「他人に危害を与えない限りにおいてのみ、個人の自由は認められる」という明確な公衆衛生の哲学があります。
タバコの煙という、有害物質や発がん性物質が壁や換気扇を越えて他人の部屋に侵入している時点で、それは「個人の自由」ではなく「他者への侵害(加害行為)」なのです。
これに対する日本の現状はどうでしょうか。
国土交通省のガイドライン(マンション標準管理規約)には、ベランダ禁煙などを定める努力義務的な記載はあっても、法律としての罰則や強制力は一切ありません。
被害者が自費で測定器を買って被害を立証しなければならなかったり、隣人の「今は吸っていない」という嘘や言い逃れに泣き寝入りさせられたりしています。
結び
社会生活上の我慢を被害者側に強いる構造そのものが、国際標準から見れば完全に「異常」であり、致命的に遅れています(後進国)。
特に、成長期にある子どもたちがいる家庭において、受動喫煙は一刻の猶予も許されない健康被害です。
個人のモラルや「配慮」に期待する段階はすでに過ぎ去っています。
日本も欧米のような「明確なペナルティを伴う厳しい法規制」に舵を切るべきです。
本当の先進国になって欲しいです。
日本の行政や喫煙者はよく「自宅は個人のプライベートな空間だから自由だ」「多少の煙はお互い様(受忍限度)」という言葉を免罪符にします。しかし、公衆衛生の先進国である欧米に目を向けると、その認識は根底から覆されます。「たとえ個人の自宅であっても、他者に危害を加える場合は徹底的に法で規制する」という、妥協なき海外の現実をまとめます。
1. アメリカ:集合住宅の「完全禁煙化」と容赦ない強制退去
アメリカでは、「個人の自由」を重んじる国でありながら、受動喫煙に関しては共同住宅の"自宅内(専有部分)"であっても極めて厳しい規制が敷かれています。
公営住宅の全面禁煙化(連邦政府の規制)
米国住宅都市開発省(HUD)の規則により、全米のすべての公営住宅において、居室内を含む建物全体、および建物から約7.5メートル(25フィート)以内での喫煙が全面的に禁止されています。
民間マンションへの波及(カリフォルニア州など)
カリフォルニア州の多くの都市では、民間のアパートや分譲マンションであっても、「1つの壁や床を共有する集合住宅の専有部分」での喫煙を条例で禁止しています。当然、バルコニーやパティオも対象です。
厳しいペナルティ
違反者には高額な罰金が科されるだけでなく、規約違反として「強制立ち退き(退去処分)」の対象になります。「自分の家だから自由」は一切通用しません。
2. ヨーロッパ:子どもを守るためには「プライベート空間」にも法が介入する
ヨーロッパでも、「他者、特に子どもに煙を吸わせない」ための法規制が徹底されています。
自家用車内での喫煙禁止
イギリス、フランス、アイルランド、ドイツなどでは、「18歳未満の子どもが同乗している自家用車内での喫煙」は法律で一律禁止されており、高額な罰金が科されます。「車内は私的な空間だから」という言い訳は、子どもの健康リスクの前では完全に無効化されます。
裁判所が下す「喫煙時間の制限」
ドイツなどでは、ベランダからのタバコの煙が近隣住民の迷惑になっている場合、裁判所が「喫煙していい時間帯」を分単位で細かく指定する判決を出すなど、司法が居住空間の喫煙権を明確に制限しています。
3. 「危害原則」の哲学と、日本の致命的な遅れ
なぜ欧米はここまで個人の空間に踏み込めるのでしょうか。その根底には、「他人に危害を与えない限りにおいてのみ、個人の自由は認められる」という明確な公衆衛生の哲学があります。
タバコの煙という、有害物質や発がん性物質が壁や換気扇を越えて他人の部屋に侵入している時点で、それは「個人の自由」ではなく「他者への侵害(加害行為)」なのです。
これに対する日本の現状はどうでしょうか。
国土交通省のガイドライン(マンション標準管理規約)には、ベランダ禁煙などを定める努力義務的な記載はあっても、法律としての罰則や強制力は一切ありません。
被害者が自費で測定器を買って被害を立証しなければならなかったり、隣人の「今は吸っていない」という嘘や言い逃れに泣き寝入りさせられたりしています。
結び
社会生活上の我慢を被害者側に強いる構造そのものが、国際標準から見れば完全に「異常」であり、致命的に遅れています(後進国)。
特に、成長期にある子どもたちがいる家庭において、受動喫煙は一刻の猶予も許されない健康被害です。
個人のモラルや「配慮」に期待する段階はすでに過ぎ去っています。
日本も欧米のような「明確なペナルティを伴う厳しい法規制」に舵を切るべきです。
本当の先進国になって欲しいです。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
































