寺尾クリニカブログ

2025年6月 5日 木曜日

帯状疱疹予防ワクチンについて

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。
このウイルスは感染したあと、生涯にわたって、神経節と呼ばれるところに潜伏しています。高齢になったり、ストレスを受けたりすることで、免疫の働きが弱まったときに、潜んでいたウイルスが再び活性化して、皮膚のかゆみ、発疹、水膨れ、強い痛みなどの症状を引き起こします。多くは上半身に見られます。
増加傾向が続いており、発症率は各年代で上がっています。

ワクチンは帯状疱疹予防に有効であり、2種類のワクチンがあります。
1) 生ワクチン
ウイルスを弱毒化した「生ワクチン」で、小児が水疱瘡の予防の際に接種するものと同じです。接種回数は1回です。
アメリカとヨーロッパのデータでは、帯状疱疹の発症を防ぐ予防効果は50歳台で69.8%、また、アメリカの研究では60歳以上で51.3%となっています。
接種から5年たっても、4割程度の予防効果があるとされます。
ただし、免疫の下がっている人は接種できません。
2) 不活化ワクチン
「組み換えワクチン」とも言われる「不活化ワクチン」で、ウイルスの表面にある一部のたんぱく質とともに、免疫の働きを高める物質が入っています。
2か月以上空けて、2回接種します。
日本を含む18か国で行われた臨床試験では、帯状疱疹の発症防ぐ効果は50歳台で96.6%、60歳台で97.4%、70歳以上で97.9%だったとしています。
また、接種から10年たっても、7割程度の予防効果があるとされます。
免疫の状態にかかわらず接種できます。

副反応
生ワクチンの方は、接種した部位の痛みなどが報告されています。
一方で、組み換えワクチンの方は、接種した部位だけでなく、疲労やけん怠感など、他の部位や全身の症状も報告されています。

定期接続の対象
今年度内に65歳になる人です。
今年度から定期接種になったということで、65歳以上の人全員が定期接種を受けられるよう、5年間の経過措置として、年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳になる人も対象です。
さらに今年度100歳以上の人やHIVに感染し、免疫機能に障害がある60歳から64歳の人も対象になっています。

費用
自費で接種すると、生ワクチンの場合、1万円程度となっています。
一方、組み換えワクチンは2回合わせて4万円程度します。
定期接種の対象の人は、自己負担額が低くなります。
自治体によって異なりますが生ワクチンなら4000円から5000円
不活化ワクチンなら2回で2万円から2万5000円ほどです。

投稿者 寺尾クリニカ

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