寺尾クリニカブログ

2026年5月 1日 金曜日

アスピリン喘息(解熱鎮痛薬喘息)を知っていますか?

アスピリン、ロキソニン(ロキソプロフェン)、ブルフェン(イブプロフェン)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を摂取・使用することで、激しい喘息発作が誘発される病態です。
アスピリン以外の薬剤でも発症するため、最近では「NSAID過敏喘息(N-ERD)」や「アスピリン誘発性呼吸器疾患(AERD)」という名前が一般的になりつつあります

特徴
成人の喘息患者の約10%程度にみられるとされ、特に30〜40代の女性に多い傾向があります。

症状
薬を飲んだ後、1時間以内に鼻水、鼻づまり、顔面の紅潮、そして激しい咳や呼吸困難が起こります。時に、消化管症状(腹痛、嘔気、下痢)、時に胸痛や瘙痒、蕁麻疹なども認めます。

合併症
慢性副鼻腔炎(蓄積膿症)や鼻ポリープ(鼻茸)を合併していることが非常に多く、これらがアスピリン喘息を疑う重要な指標となります。

メカニズム
一般のアレルギーとは異なり、アラキドン酸の代謝バランスが崩れ、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に産生され、激しい気管支喘息を起こす疾患です。

注意点
*発症すると原則として一生涯、原因となる薬剤を避ける必要があります。

*アスピリン喘息は重症です。私も、勤務医の時に、鎮痛剤を服用して呼吸困難を起こして来院した女性を診察したことがありますが、その方は重症になり人工呼吸器を装着して治療しました。

*すべてのNSAIDs(アスピリン、ロキソニン、インドメタシン、ボルタレン、ブルフェン、ナプロキセン、ポンタール、スルピリンなど)が対象になります。

*ガイドラインでは、比較的安全とされる代替薬(アセトアミノフェン)を投与する場合でも、念のため投与後最短2時間は医療従事者の監視下で経過を観察することが推奨されています。アセトアミノフェンは1回あたりの用量を300mg以下(日本人)に抑えれば、比較的安全に使用できます。

*ほかには、チアミド塩酸塩(ソランタール)などは比較的安全とされています。

*葛根湯などの漢方薬は安全に使用できる薬剤としてガイドラインに記載されています。

*歯科や整形外科を受診する時は、歯科医や医師に、鎮痛剤服用で咳、呼吸苦などの症状が出現したことがあると必ず申告してください。

まとめ
アスピリン喘息は、あまり知られていませんが、重症化する喘息なので十分に注意してください。特に女性は鎮痛剤を飲むことが多いのでなおさらです。この病気を知らない医療従事者もいるので気お付けてください。


投稿者 寺尾クリニカ

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