朝日新聞連載記事
2021年1月 6日 水曜日
朝日新聞に連載vol16
Q
65歳になりました。肺炎球菌のワクチンの接種は必要でしょうか。また、接種の間隔や受け方など教えてください。
A
お答えいたします。高齢者の死亡原因の1位は肺炎であります。肺炎で亡くなる人は、免疫機能の未発達な乳幼児や加齢により免疫機能が低下している高齢者に多いです。肺炎球菌は、主に乳幼児の鼻や喉に常在しており、成人でも保菌者がいます。しかし、肺炎球菌を持つ人が必ずしも肺炎を発症することはありません。従って、免疫力が弱い乳幼児や高齢者やがん患者や慢性疾患を持つ患者は、肺炎を予防するために肺炎球菌予防ワクチンを接種することが大切であります。また、インフルエンザに罹患した後にも肺炎球菌にかかる可能性はあります。従って、インフルエンザワクチン接種と肺炎球菌ワクチン接種は冬に是非おこなってください。さらに今年は新型コロナが流行しており、冬場には予想できないほどの感染者が出現すると思われますので、同時に接種をしてください。対象は、脾摘の患者さん、65歳以上の高齢者、心臓や呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病など免疫低下しており治療が予定されている患者さんが対象です。23価肺炎球菌ワクチンは1回接種後、5年を経れば再度接種することができます。
投稿者 Genova | 記事URL