寺尾クリニカブログ

2026年1月20日 火曜日

禁煙外来を開始しました

昨年から、禁煙外来を開始しました
1) 57ppmと3ppm。数値が語る「体の真実」
今日、私の外来に来られた患者さんの呼気一酸化炭素(CO)濃度は57ppm(非喫煙者の場合10ppm以下)でした。全身の細胞が深刻な「酸欠」に喘いでいる状態です。 実は、非喫煙者である私の場合3ppmでした。
57ppmという数字がいかに異常で、体が悲鳴を上げているかは一目瞭然です。
一方で、最近女性に多い「加熱式タバコ」のユーザーは、測定しても2〜4ppmと、私のような非喫煙者と変わらない数値が出ます。今日の患者さんも「加熱式のほうが安全だと思っていた」とおっしゃっていましたが、ここに大きな罠があります。

2) 加熱式タバコに潜む「美容と健康の罠」
加熱式タバコは一酸化炭素こそ少ないですが、血管を強力に収縮させる「ニコチン」の摂取量は紙巻きタバコと変わりません。

見た目への影響:ニコチンは血流を阻害し、肌のターンオーバーを遅らせ、大切なコラーゲンを破壊します。

依存の深さ:数値が低いため「自分は大丈夫」と錯覚し、禁煙の決断を遅らせてしまいます。

美容や清潔感のために加熱式を選んでいるのであれば、それは本末転倒です。本当の美しさを取り戻すには、脳と血管をニコチンから解放しなければなりません。

3) 根性ではなく「科学」でやめる
禁煙が続かないのは意志が弱いからではなく、脳の報酬系がニコチンに支配されているからです。当院では、飲み薬の**バレニクリン(チャンピックス)**を用いた治療を行っています。

離脱症状を和らげる(アゴニスト効果):脳内の受容体に作用して少量のドーパミンを出し、禁煙時のイライラを抑えます。

満足感をブロックする(拮抗作用):ニコチンが受容体に結びつくのを防ぎ、万が一吸ってしまっても「美味しくない」と感じさせます。

最新の解析データでは、この薬を用いることで、自力(プラセボ)での禁煙に比べて成功率が約2.3倍に高まることが証明されています。

4)「頑張りすぎない」ための対面サポート
「副作用が怖い」という方もいらっしゃいますが、医学的に対処可能です。(約29.4%)ですが、当院では適切な吐き気止めを処方し、対面での診察を通じてきめ細かくサポートします。
この吐き気も、多くの方は7日間ほどで体が慣れてきます。 最初の1週間を医学の力で乗り越えれば、その先には「吸いたいと思わない」快適な生活が待っています。
実際に当院では、最近4人の方が治療を始められましたが、早い方では2〜3週間で「もう吸いたいと思わなくなった」と、驚くほど晴れやかな顔で話してくれます。

最後に
禁煙は、自分を責める苦行ではありません。医学という確立されたツールを使いこなし、自分の人生の主導権を取り戻す。それこそが本当の「自律」です。
呼気CO濃度を非喫煙者レベルに保ち、血管を解放して、見た目年齢を最大13歳若返らせる。そのために必要なのは、根性ではなく、外来のドアを叩くという合理的な選択だけです。


投稿者 寺尾クリニカ

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