寺尾クリニカブログ

2026年2月22日 日曜日

HPVワクチンの推奨の一時停止が国民に与えたもの

私は、ほとんどTVは見ないのですが、先日、たまたまHPVワクチンのCMを見ました。
今回、予防医療が必要だと考え、またこの空白の時期により被害を被る女性の事を思いブログを書きました。

国が、積極的なヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの推奨を停止したことで、日本国民のワクチンに対する信頼は著しく低下し、世界的に見てもワクチンへの信頼度は最低レベルとなっています
今回の停止の影響は以下のように現れています。

1)国民の信頼の崩壊
2013年に厚生労働省がHPVワクチンの積極的な推奨を停止するという決定は、副作用の可能性が報告されたことを受けて、国民のワクチンへの信頼の低下の主な原因として挙げられています。
世界五大医学雑誌「ランセット」に掲載された主要な調査によると、ワクチンに対する認識に関して日本は世界で最も低いランクにあることがわかりました。

*ワクチンが安全だと考える日本人の回答者はわずか8.9%。
*ワクチンが有効だと考える日本人はわずか14.7%


2)公衆衛生への「波及効果」
HPVワクチンをめぐる論争によって生じた不信感は、もはや孤立したものではなく、麻疹ワクチンなど他の定期予防接種への信頼にも悪影響を及ぼす「波及効果」を生み出しています。
ワクチンに対する一般的な信頼の低下は、日本における麻疹などの予防可能な病気の再発生と関連していると思います。

3)証拠に基づく政策の弱点
推奨の停止は、科学的証拠に基づいてワクチン政策を策定するための強力なメカニズムの欠如を示していると思います。
日本の政策決定は、客観的なデータに基づいて長期的な利益とリスクを比較検討するのではなく、一時的なメディア主導の世論や社会的な圧力に大きく影響されることが多いと思います。
ワクチンの有効性と安全性を裏付ける国内外の広範な証拠が蓄積されているにもかかわらず、政府は積極的推奨の停止を何年も続け、HPVワクチン接種率は今も低いです。
2022年4月に再開しましたが、2025年9月時点で全体の接種率は26.1%で、2025年5月時点で高校1年生女子の初回接種率は41.9%でした。一方、オーストラリアやイギリス、北欧においては80-90%の接種率です。
この遅れは酷いものです。

その結果、先進国においては、子宮頸がんの罹患数は減少傾向にありますが、日本においては、逆に増加傾向であり30歳代以下の女性に増加しています。
子宮頸がんの死亡数は毎年2,800人から3,000人ですが2000年から2003年生まれは年間4,000人に増加すると予想されています。
これは大阪大学などの研究チームがランセントに示した一日3人の死亡数が増えるという推計から割り出しています。


当院ではワクチン接種を希望されるのは、ほとんどが外国人(中国人、韓国人)で日本人はいません。最近半年は、HPVワクチン接種を希望する人は全くいない状況です。

4)個人の健康リテラシーへの影響
推奨の停止により、情報が積極的に提供されない文化が生まれ、国民は自主的にデータを探す必要があります。
多くの人が当局からの積極的な情報を得られないので、気づかないうちにワクチン接種の最適な時期を逃してしまいます。
私は、厚生労働省に、HPVワクチンの副反応などについて電話で問い合わせたことがありますが、検討中であるという返答でした。役に立ちません。
情報を隠蔽していると思います。
COVID-19の時も隠蔽だらけです。


5)終わりに
国民からの信頼を回復するには、国は、本気で国民が必要としている医療情報を素早く、正確に提供することが望まれます。また、今回の停止で、今後多くの若い女性が癌に苦しみ、命を亡くすと予想されます。
国は、この事実を深く受けとめ、国民の命を守ることに全力で努め、国民が健やかに生活できるようにしてもらいたいです。もっと働いてもらいたいです。

投稿者 寺尾クリニカ

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