寺尾クリニカブログ

2025年12月21日 日曜日

生存率を変える膵臓がん「5つの意外な前兆」と見落としがちなリスク

先日、私の患者さんがすい臓がんになりました。

私はこの患者さんを心臓病と高血圧症で治療していました。
糖尿病に関しては、近くの国立病院で専門医が治療していました。
私も心配であり、血液検査で血糖とHbA1cを経時的に観察していました。
今年になりこの値が治療しているにも関わらず、悪化しているので、国立病院の医師に連絡したところ直ぐ入院になりました。
2日前に患者さんから電話があり、すい臓がんが見つかり今月に手術をすることになりました。
私は、驚きと怒りを感じました。
専門医でありながら病状が悪化しているのに放置している許せなかったです。もっと早く対応してほしかったです。
そこで、すい臓がんについて皆さんにわかってもらいたくブログに書きました。

「見つかった時には手遅れ」。 そんな絶望的なイメージが強い膵臓がんですが、「意外なサイン」を発信していることが近年の研究で分かってきました。
「サイレントキラー」の正体を見破り、早期発見のチャンスを逃さないための5つ事をお伝えします。
1. 「糖尿病」は原因ではなく、がんの"結果"かもしれない
通常、糖尿病はがんのリスク因子と言われますが、実は逆のパターンがあります。膵臓がんそのものが糖尿病を引き起こすケースです。 これは腫瘍が膵臓を物理的に傷つけることで発症します。
2. 50歳を過ぎての「突然の糖尿病」は最大の警告
もし50歳を過ぎてから、家族歴も肥満もないのに突然糖尿病と診断されたら注意が必要です。 50歳以上の新規発症者は、3年以内に膵臓がんと診断されるリスクが6〜8倍に跳ね上がります。
3. リスクは「足し算」ではなく「掛け算」で増える
日本膵臓学会のガイドラインが示すリスクの数値は衝撃的です。
喫煙: 2〜3倍
糖尿病:2倍
過度の飲酒:3倍
慢性膵炎: 4〜8倍
家族歴: 13倍
遺伝性膵炎: 53倍                         
これらが重なっている場合、リスクは指数関数的に高まります。    
4. 「20歳の時の体型」が数十年後のリスクを決める
驚くべきことに、若年期の健康状態が将来に影を落とします。日本の研究では、20歳時点で肥満(BMI30以上)だった男性は、将来の膵臓がんリスクが3.5倍になることが判明しました。がんは、私たちが思うよりもずっと前から準備を始めているのかもしれません。
5. 「血液検査の結果が正常」でも安心できないワケ
よく使われる腫瘍マーカー(CA19-9)ですが、実は早期発見には不向きです。
良性の病気でも数値が上がる。
日本人の約5%は、遺伝的にこの数値が上がらない。 ある調査では、膵臓がんが見つかった患者の全員が「検査値は正常」だった例もあります。
数値だけに頼らず、複数の症状や変化を総合的に見ることが不可欠です。

まとめ:その「違和感」を放置しないでください。
膵臓がんは、決して「無症状」ではありません。
「50歳を過ぎての血糖値上昇」「急激な体重減少」「背中の違和感」。 これらが重なったとき、医学の進化により、高リスク群を特定する精度は確実に上がっています。
まずは「知ること」から、自分の体への向き合い方を変えてみませんか?

投稿者 寺尾クリニカ

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