寺尾クリニカブログ

2025年12月 8日 月曜日

スマホ老眼に注意して下さい

スマホ老眼は、本当の老眼(加齢でレンズが硬くなる現象)とは異なり、目の筋肉が一時的に痙攣したり、疲労で動かなくなったりしている状態です。しかし、これが続くと本当の老眼が早まる可能性は否定できません。

スマホが目を酷使するメカニズム
スマホによる目の疲労は、主に以下の2つの要素で説明されます。
A. 調節痙攣(調節緊張)
科学的根拠: 近く(特に30cm未満)を長時間見るとき、目の中の毛様体筋は緊張し続けます。この筋肉が緊張しすぎてロックされた状態が「調節痙攣」です。
その結果、 遠くを見ようとしても、筋肉が緩まないため、ピントが近くに固定されてしまい、遠くのものがぼやけます。これは近視の状態が一時的に強くなっているとも言えます。
B. ドライアイの悪化
画面を集中して見つめることで、瞬きの回数が極端に減少します(通常1分間に20回程度が、スマホ操作中は5回程度に減少するとの報告もあります)。
その結果、涙が蒸発しやすくなり、目の表面(角膜・結膜)が乾燥します。乾燥は、目の疲労感やピント調節機能の低下をさらに悪化させます。

医師からのアドバイス
① 20-20-20ルール
毛様体筋の緊張を定期的に緩和するために、 20分近くを見たら、20秒間*20フィート(約6メートル)以上遠くを見る。
温める(温罨法)
目の周りのマイボーム腺の詰まりを解消し、質の良い涙の分泌を促します。また、目の周りの血行を良くし、毛様体筋や周囲の筋肉の疲労回復を早めます。
そのために、 蒸しタオルなどで目元を5〜10分温める。特に就寝前が効果的です。
ブルーライトの影響を減らす
ブルーライトはエネルギーが高く、網膜への影響が懸念されます。また、睡眠を促すメラトニン分泌を抑制するため、夜間の使用は睡眠の質を低下させ、結果的に体全体の疲労(眼精疲労の悪化)につながります。
そのために、寝る1~2時間前はスマホやPCの使用を控えるか、ナイトモード/ブルーライトカット機能を必ず使用しましょう。


投稿者 寺尾クリニカ

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