寺尾クリニカブログ
2026年5月 2日 土曜日
喘息治療におけるステロイドの危険性について。「副作用(リスク)と、使用しないことによる危険性」
ステロイド治療には、主に「吸入ステロイド薬(ICS)」と、点滴や内服などの「全身性ステロイド薬」の2種類があり、それぞれリスクの程度が違います。
1. 吸入ステロイド薬(ICS)の主な副作用とリスク
吸入ステロイド薬は肺に直接作用するため、全身への影響が少なく、安全性が高い薬剤です。ただし、以下のような局所的な副作用や、特定の条件下での注意点があります。
*局所的な副作用: 口の中に薬剤が残ると、口腔カンジダ症(カビの感染症)や嗄声(させい:声がれ)、喉の不快感が起こりますこれらは、吸入後の適切な「うがい」によって多くの場合、口腔カンジダ症を防ぐことが可能です。
*小児の成長への影響: かなりかつ長期に使用した場合、身長の伸びがわずかに抑制される可能性が知られています。そのため、小児ではリスクとベネフィットを医師と十分に相談することが重要です。
*全身への影響: 通常の常用量では、全身性の副作用(骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍など)はほとんど見られません。
2. 全身性ステロイド薬(点滴・内服)のリスク
重症発作時や難治性喘息で用いられる全身性ステロイド薬には、長期・大量投与によって以下のような深刻な副作用のリスクがあります。
*主な副作用:副腎機能阻害、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、免疫不全(感染しやすくなる)、白内障、多毛、異常脂肪沈着(満月様顔貌など)が挙げられます。
また、女性の場合には生理不順や無月経に繋がります。
*回避の必要性:喘息治療においては、これらの副作用を気にするため、生物学的製剤などを活用して全身性ステロイド薬の使用量を減らすことが推奨されています。
内服は発作が治まらない時に頓用するのが通常の使い方です。
3.ステロイドを使用しない・中断することの危険性
ステロイドの副作用を恐れて自己判断で中断することの方が、はるかに危険です。
*「気道リモデリング」: 炎症を放置すると気管支壁が分厚くなり気道が狭くなり、薬が効かなくなる難治性喘息に進んでしまいます。
*喘息死のリスク: 喘息死の主な問題は、吸入ステロイドによる長期管理を怠る事で発作が起きることです。吸入ステロイドの使用量が少ないほど、喘息による死亡のリスクが高まるというデータも示されています。
*発作時の吸入剤依存: 吸入ステロイドを予防としてを使わず、発作時に気管支拡張剤の吸入に頼ることは、気道炎症を悪化させ、死に至るリスクが高まります。
またこの吸入を頻繁に用いることは心臓への負担が発作大きく死に至ることもあります。ですから1日に使用する回数は4回までです。
まとめ
このように、吸入ステロイドは正しく使用すれば喘息死を防ぐ最大の武器になりますが、点滴や内服を長期に使用すると全身への影響が強く後悔する事になります。その場合には、治療方法(生物学的製剤の使用など)を変更する必要があります。骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍などの病気になってからからでは手遅れになります。
その場合には、呼吸器専門医に相談してください。
1. 吸入ステロイド薬(ICS)の主な副作用とリスク
吸入ステロイド薬は肺に直接作用するため、全身への影響が少なく、安全性が高い薬剤です。ただし、以下のような局所的な副作用や、特定の条件下での注意点があります。
*局所的な副作用: 口の中に薬剤が残ると、口腔カンジダ症(カビの感染症)や嗄声(させい:声がれ)、喉の不快感が起こりますこれらは、吸入後の適切な「うがい」によって多くの場合、口腔カンジダ症を防ぐことが可能です。
*小児の成長への影響: かなりかつ長期に使用した場合、身長の伸びがわずかに抑制される可能性が知られています。そのため、小児ではリスクとベネフィットを医師と十分に相談することが重要です。
*全身への影響: 通常の常用量では、全身性の副作用(骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍など)はほとんど見られません。
2. 全身性ステロイド薬(点滴・内服)のリスク
重症発作時や難治性喘息で用いられる全身性ステロイド薬には、長期・大量投与によって以下のような深刻な副作用のリスクがあります。
*主な副作用:副腎機能阻害、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、免疫不全(感染しやすくなる)、白内障、多毛、異常脂肪沈着(満月様顔貌など)が挙げられます。
また、女性の場合には生理不順や無月経に繋がります。
*回避の必要性:喘息治療においては、これらの副作用を気にするため、生物学的製剤などを活用して全身性ステロイド薬の使用量を減らすことが推奨されています。
内服は発作が治まらない時に頓用するのが通常の使い方です。
3.ステロイドを使用しない・中断することの危険性
ステロイドの副作用を恐れて自己判断で中断することの方が、はるかに危険です。
*「気道リモデリング」: 炎症を放置すると気管支壁が分厚くなり気道が狭くなり、薬が効かなくなる難治性喘息に進んでしまいます。
*喘息死のリスク: 喘息死の主な問題は、吸入ステロイドによる長期管理を怠る事で発作が起きることです。吸入ステロイドの使用量が少ないほど、喘息による死亡のリスクが高まるというデータも示されています。
*発作時の吸入剤依存: 吸入ステロイドを予防としてを使わず、発作時に気管支拡張剤の吸入に頼ることは、気道炎症を悪化させ、死に至るリスクが高まります。
またこの吸入を頻繁に用いることは心臓への負担が発作大きく死に至ることもあります。ですから1日に使用する回数は4回までです。
まとめ
このように、吸入ステロイドは正しく使用すれば喘息死を防ぐ最大の武器になりますが、点滴や内服を長期に使用すると全身への影響が強く後悔する事になります。その場合には、治療方法(生物学的製剤の使用など)を変更する必要があります。骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍などの病気になってからからでは手遅れになります。
その場合には、呼吸器専門医に相談してください。
投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL
2026年5月 1日 金曜日
アスピリン喘息(解熱鎮痛薬喘息)を知っていますか?
アスピリン、ロキソニン(ロキソプロフェン)、ブルフェン(イブプロフェン)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を摂取・使用することで、激しい喘息発作が誘発される病態です。
アスピリン以外の薬剤でも発症するため、最近では「NSAID過敏喘息(N-ERD)」や「アスピリン誘発性呼吸器疾患(AERD)」という名前が一般的になりつつあります
特徴
成人の喘息患者の約10%程度にみられるとされ、特に30〜40代の女性に多い傾向があります。
症状
薬を飲んだ後、1時間以内に鼻水、鼻づまり、顔面の紅潮、そして激しい咳や呼吸困難が起こります。時に、消化管症状(腹痛、嘔気、下痢)、時に胸痛や瘙痒、蕁麻疹なども認めます。
合併症
慢性副鼻腔炎(蓄積膿症)や鼻ポリープ(鼻茸)を合併していることが非常に多く、これらがアスピリン喘息を疑う重要な指標となります。
メカニズム
一般のアレルギーとは異なり、アラキドン酸の代謝バランスが崩れ、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に産生され、激しい気管支喘息を起こす疾患です。
注意点
*発症すると原則として一生涯、原因となる薬剤を避ける必要があります。
*アスピリン喘息は重症です。私も、勤務医の時に、鎮痛剤を服用して呼吸困難を起こして来院した女性を診察したことがありますが、その方は重症になり人工呼吸器を装着して治療しました。
*すべてのNSAIDs(アスピリン、ロキソニン、インドメタシン、ボルタレン、ブルフェン、ナプロキセン、ポンタール、スルピリンなど)が対象になります。
*ガイドラインでは、比較的安全とされる代替薬(アセトアミノフェン)を投与する場合でも、念のため投与後最短2時間は医療従事者の監視下で経過を観察することが推奨されています。アセトアミノフェンは1回あたりの用量を300mg以下(日本人)に抑えれば、比較的安全に使用できます。
*ほかには、チアミド塩酸塩(ソランタール)などは比較的安全とされています。
*葛根湯などの漢方薬は安全に使用できる薬剤としてガイドラインに記載されています。
*歯科や整形外科を受診する時は、歯科医や医師に、鎮痛剤服用で咳、呼吸苦などの症状が出現したことがあると必ず申告してください。
まとめ
アスピリン喘息は、あまり知られていませんが、重症化する喘息なので十分に注意してください。特に女性は鎮痛剤を飲むことが多いのでなおさらです。この病気を知らない医療従事者もいるので気お付けてください。
アスピリン以外の薬剤でも発症するため、最近では「NSAID過敏喘息(N-ERD)」や「アスピリン誘発性呼吸器疾患(AERD)」という名前が一般的になりつつあります
特徴
成人の喘息患者の約10%程度にみられるとされ、特に30〜40代の女性に多い傾向があります。
症状
薬を飲んだ後、1時間以内に鼻水、鼻づまり、顔面の紅潮、そして激しい咳や呼吸困難が起こります。時に、消化管症状(腹痛、嘔気、下痢)、時に胸痛や瘙痒、蕁麻疹なども認めます。
合併症
慢性副鼻腔炎(蓄積膿症)や鼻ポリープ(鼻茸)を合併していることが非常に多く、これらがアスピリン喘息を疑う重要な指標となります。
メカニズム
一般のアレルギーとは異なり、アラキドン酸の代謝バランスが崩れ、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に産生され、激しい気管支喘息を起こす疾患です。
注意点
*発症すると原則として一生涯、原因となる薬剤を避ける必要があります。
*アスピリン喘息は重症です。私も、勤務医の時に、鎮痛剤を服用して呼吸困難を起こして来院した女性を診察したことがありますが、その方は重症になり人工呼吸器を装着して治療しました。
*すべてのNSAIDs(アスピリン、ロキソニン、インドメタシン、ボルタレン、ブルフェン、ナプロキセン、ポンタール、スルピリンなど)が対象になります。
*ガイドラインでは、比較的安全とされる代替薬(アセトアミノフェン)を投与する場合でも、念のため投与後最短2時間は医療従事者の監視下で経過を観察することが推奨されています。アセトアミノフェンは1回あたりの用量を300mg以下(日本人)に抑えれば、比較的安全に使用できます。
*ほかには、チアミド塩酸塩(ソランタール)などは比較的安全とされています。
*葛根湯などの漢方薬は安全に使用できる薬剤としてガイドラインに記載されています。
*歯科や整形外科を受診する時は、歯科医や医師に、鎮痛剤服用で咳、呼吸苦などの症状が出現したことがあると必ず申告してください。
まとめ
アスピリン喘息は、あまり知られていませんが、重症化する喘息なので十分に注意してください。特に女性は鎮痛剤を飲むことが多いのでなおさらです。この病気を知らない医療従事者もいるので気お付けてください。
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