寺尾クリニカブログ

2026年2月28日 土曜日

マンジャロが変える予防医学

最近、外来で「マンジャロ」という薬への関心が非常に高まっているのを感じます。本来は糖尿病の治療薬ですが、肥満症に対しても劇的な効果を示し、今後、予防医学に大きな役目を果たすと考えられます。しかし、色々な問題がありますので、検討が必要だと思います。

1. 「自分を抑えられない」のは脳が要因
糖尿の患者さんや肥満の方に、「食べるのは我慢できないですか」とよく質問するのですが「食べるのを我慢できない」「ついつい手が伸びる」と皆さん答えます。これは意志が弱いのではなく、脳内の報酬系やホルモンバランスという、遺伝的な「要因」の影響が極めて大きいのです。 マンジャロに含まれるGLP-1とGIPという物質のダブル作用にて、脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑えます。その結果、食欲が低下して、体重が低下し、糖尿病の方は血糖が低下します。

2. 究極の予防医学の薬
肥満は、生活主観病の原因であり、さらには、様々な癌、認知症アルツハイマー型認知症、血管性認知症)、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群などの疾患の引き金です。
当院でも、マンジャロで体重がへることにより、血糖だけでなく、中性脂肪や悪玉コレステロ-ルが低下し、血圧も低下する患者さんが多いです。しかも、精神的なストレスが軽減しています。これは、肥満による自己否定感がなくなるためだと思います。

3. 自由診療だけど自律ある行動を
マンジャロは、本来は保険診療では、2型糖尿病の治療薬ですが糖尿病の治療ではなく、痩せるために、美容外科や、ネットで自費買い求めることが流行っています。美容外科では、医師がどこまで知識があり、患者さんに副作用などについて説明をしているかは不明です。患者さんが個人購入するのは危険極まりないです。当院に通院している、病院の看護婦さんがマンジャロを注射して、気分が悪くなり救急車で何人も運ばれてくると度々言ってます。さらに、本来の目的(糖尿病)のための薬が不足する事態もおきました。国(厚生労働省)の管理責任が問われると思います。海外から個人輸入したり、フリマアプリで購入するのはやめて下さい。

4.マンジャロの特徴(副作用に注意))
*週1回の自己注射で、お腹や太ももに注射します。
*副作用:吐き気、嘔吐、下痢、便秘、筋肉の低下、疲労感、消化不良など
*重大な副作用:急性膵炎 胆のう炎、胆石症、腸閉塞など
*急にやめるとリバウンドが起きますので、薬を注射している時に、食事管理も十分行う事が大切です。つまり、薬に頼り過ぎることはダメです。

5.まとめ                                            
マンジャロは、食欲が抑えられない方にとってはとても良いくすりです。しかし、重大な副作用がありますので、医師の管理のもとで使用して下さい。フリマアプリなどで購入するのはやめてください。また、この薬を用いる肥満の基準が明確に示されていないなどの問題がありますので検討が必要だと思います。

病的な肥満の方には、自費診療をしております。
もし、お悩みがある方はご連絡下さい。
院長 寺尾

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2026年2月25日 水曜日

重症花粉症の方には朗報です

今年は、花粉症の症状が強く、生活に支障を来たす方が多いです。

当院では、重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の方にゾレアをいう注射をお勧め致します。

条件は
1)アレルギ-検査(血液検査)でスギ花粉抗原に対する血清特異的抗体がクラス3以上。
2)季節性アレルギ-性鼻炎の治療を1週間以上行い、効果が不十分であった。
3)12歳以上で、血清総IgE濃度が30-1,500IU/ml。
4)体重が20-150Kgの範囲。

重症花粉症
くしゃみまたは鼻をかむ回数が11から20回 または鼻つまりの程度が強くかなりの時間を口呼吸で過ごしているという方です。
もうすでに、注射をして、効果が出ている方が増えています。

費用
薬処方、検査、診察料、注射 ゾレア1本:合計で1万円以下です。

詳しいことはご連絡下さい。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

2026年2月24日 火曜日

若年性アルツハイマー型認知症:90%は生活習慣が要因で回避可能。

若年性アルツハイマー型認知症は、65歳未満で発症するアルツハイマー病は若年性認知症の原因疾患として最も頻度が高いものです。
アルツハイマー病と比較して、遺伝による問題が強く、進行が早く、非典型的な症状が現れやすいという特徴があります。年齢は50歳代に多いとさています。

現状と特徴をまとめます。
1. 日本における現状と疫学
•最大の原因疾患:日本の最新調査(2017~2019年度)によると、若年性認知症全体の52.6%をアルツハイマー型が認めています。
日本全体で若年性認知症者は約3.57万人推計されており、その過半数がこの疾患です。
•診断精度の向上:前回調査(2006~2008年度)では脳血管性認知症が最も多いですが、現在はアルツハイマー型が最も多くなっています。これは、社会的な認知度の向上や、医療機関による診断精度の向上が背景にあると考えられています。

2. 原因と遺伝の背景
•若年性アルツハイマー病は強い遺伝的要素を持つことが多く、10%で遺伝子が受け継がれると50%の確率で発症します。

・残りの90%は、喫煙、過度な飲酒、生活習慣病、運動不足、睡眠不足、頭部外傷などが要因です。

・また、精神的にストレスを溜めたり、落ち込みやすかったり、社交性に乏しいなどの性格も要因です。

3. 症状の特徴:典型例と非典型例
若年性の場合、高齢者とは異なる症状の現れ方をすることがあります。

典型的な症状:初期症状の66.6%は「もの忘れ」ですが、同時に仕事や家事でのミス(38.8%)も目立ちます。

非典型的な症状:(約37.5%):記憶障害以外に、視覚障害(眼は健康だが見え方がおかしい、ゆがんで見える)、空間認知障害(物との距離感がつかめない)などがあります。
うつ病との混同20-30%が「うつ状態」を呈するため、働き盛りのストレスや更年期障害、精神疾患と誤って診断される事が多々あります。

4. 社会・経済への影響
働き盛りの世代で発症するため、社会生活に支障を来たします。
•就労の失敗:発症時には約6割が働いていますが、診断後にはその約7割が退職をしています。
•家計の困難:当面収入が減少したと感じる家庭は約6割に上り、主な収入源が障害年金や生活保護に切り替わることが多いのが現状です。
•家族の負担:子育てや親の介護を同時に世代であるため、ご家族や子供さんにかかる精神的・経済的負担は計り知れません。

5. 治療
現在、内服が承認されていますが、これらは症状を一時的に緩和するものであり、進行を止める根本治療法はまだ確立されていません。

若年性アルツハイマー型認知症は、早期発見に適切なサポート(若年性認知症支援コーディネーターの活用など)を受ける事が、ご本人とご家族の生活を守るために重要です。

6.対策と予後
ご本人は認めたくないと思いますが、ご家族が異変に気が付いたら、すぐに若年性アルツハイマー型認知症の専門医を受診して下さい。
空間認知障害があり、物の位置、距離の認識が困難で交通事故にあう事、転倒、骨折が多く、進行が早く寿命が短いです。平均寿命は10-15年位です。

7.予防
若年性アルツハイマー型認知症は、10%は遺伝子で回避できないです、しかし、90%はあなたの喫煙、飲酒、食事、運動さらに気持ち次第です。残酷な未来を回避するのは、あなたの自律です。ご家族のためにも手遅れになる前に生活習慣を改善しましょう。

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2026年2月22日 日曜日

HPVワクチンの推奨の一時停止が国民に与えたもの

私は、ほとんどTVは見ないのですが、先日、たまたまHPVワクチンのCMを見ました。
今回、予防医療が必要だと考え、またこの空白の時期により被害を被る女性の事を思いブログを書きました。

国が、積極的なヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの推奨を停止したことで、日本国民のワクチンに対する信頼は著しく低下し、世界的に見てもワクチンへの信頼度は最低レベルとなっています
今回の停止の影響は以下のように現れています。

1)国民の信頼の崩壊
2013年に厚生労働省がHPVワクチンの積極的な推奨を停止するという決定は、副作用の可能性が報告されたことを受けて、国民のワクチンへの信頼の低下の主な原因として挙げられています。
世界五大医学雑誌「ランセット」に掲載された主要な調査によると、ワクチンに対する認識に関して日本は世界で最も低いランクにあることがわかりました。

*ワクチンが安全だと考える日本人の回答者はわずか8.9%。
*ワクチンが有効だと考える日本人はわずか14.7%


2)公衆衛生への「波及効果」
HPVワクチンをめぐる論争によって生じた不信感は、もはや孤立したものではなく、麻疹ワクチンなど他の定期予防接種への信頼にも悪影響を及ぼす「波及効果」を生み出しています。
ワクチンに対する一般的な信頼の低下は、日本における麻疹などの予防可能な病気の再発生と関連していると思います。

3)証拠に基づく政策の弱点
推奨の停止は、科学的証拠に基づいてワクチン政策を策定するための強力なメカニズムの欠如を示していると思います。
日本の政策決定は、客観的なデータに基づいて長期的な利益とリスクを比較検討するのではなく、一時的なメディア主導の世論や社会的な圧力に大きく影響されることが多いと思います。
ワクチンの有効性と安全性を裏付ける国内外の広範な証拠が蓄積されているにもかかわらず、政府は積極的推奨の停止を何年も続け、HPVワクチン接種率は今も低いです。
2022年4月に再開しましたが、2025年9月時点で全体の接種率は26.1%で、2025年5月時点で高校1年生女子の初回接種率は41.9%でした。一方、オーストラリアやイギリス、北欧においては80-90%の接種率です。
この遅れは酷いものです。

その結果、先進国においては、子宮頸がんの罹患数は減少傾向にありますが、日本においては、逆に増加傾向であり30歳代以下の女性に増加しています。
子宮頸がんの死亡数は毎年2,800人から3,000人ですが2000年から2003年生まれは年間4,000人に増加すると予想されています。
これは大阪大学などの研究チームがランセントに示した一日3人の死亡数が増えるという推計から割り出しています。


当院ではワクチン接種を希望されるのは、ほとんどが外国人(中国人、韓国人)で日本人はいません。最近半年は、HPVワクチン接種を希望する人は全くいない状況です。

4)個人の健康リテラシーへの影響
推奨の停止により、情報が積極的に提供されない文化が生まれ、国民は自主的にデータを探す必要があります。
多くの人が当局からの積極的な情報を得られないので、気づかないうちにワクチン接種の最適な時期を逃してしまいます。
私は、厚生労働省に、HPVワクチンの副反応などについて電話で問い合わせたことがありますが、検討中であるという返答でした。役に立ちません。
情報を隠蔽していると思います。
COVID-19の時も隠蔽だらけです。


5)終わりに
国民からの信頼を回復するには、国は、本気で国民が必要としている医療情報を素早く、正確に提供することが望まれます。また、今回の停止で、今後多くの若い女性が癌に苦しみ、命を亡くすと予想されます。
国は、この事実を深く受けとめ、国民の命を守ることに全力で努め、国民が健やかに生活できるようにしてもらいたいです。もっと働いてもらいたいです。

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2026年2月20日 金曜日

インフルエンザはただの熱ではないです

多くの人は、インフルエンザを一時的な肺の感染症、つまり1週間の咳、高熱、頭痛などの症状が、治まるものと考えています。そして、傷跡が喉と胸部に限局している呼吸器疾患として捉えています。しかし、最新の神経免疫学は、この見方が危険であることを示唆しています。
肺で起こった出来事が肺にとどまるだけではなく、最近の研究では、インフルエンザが神経系との橋渡しとなり、解熱後も長期間にわたって脳に変化をもたらす連鎖反応を引き起こすことが明らかになっています。
おそらく最も衝撃的なのは、インフルエンザの「非神経向性」株、つまりH1N1のように脳に物理的に侵入しない株でさえ、他の組織に大規模な全身性炎症を引き起こすことで脳に炎症を起こす可能性があるという発見です。
インフルエンザは単なる季節的な感染症ではなく、私たちの心の構造そのものを変えてしまう複雑な生物学的現象なのです。

インフルエンザの感染は、精神疾患発症リスクを高める可能性があることが、最新の研究や資料によって示唆されています。
具体的には、以下のようなメカニズムが関与していると考えられています。

1. 精神疾患に関連する遺伝子発現の変化
特定のインフルエンザ株(H3N2やH7N7など)に感染すると、脳の海馬に、精神疾患と密接にする遺伝子の発現がみられることが確認されています。
妊婦さんがインフルエンザに感染すると、胎児が将来的に精神疾患(統合失調症など)を発症する可能性が高いです。

2. 脳内の炎症(神経炎症)とサイトカインの影響
インフルエンザ感染により放出される炎症性サイトカイン(病原体からわれわれの体を守ってくれるタンパク)は、脳内の免疫細胞を活性化させます。これらのサイトカインは、過剰に産生されると、逆に臓器(脳)を障害するようになります。従って、従来の行動や認知機能に重大な悪影響を及ぼすと言われています。インフルエンザは、脳内で炎症を起こし、これが数週間から数ヶ月続く慢性的な炎症状態になると、精神疾患の発症リスクを高めると考えられています。

3. 脳の構造のダメージ
記憶や感情を司る海馬は、インフルエンザによる炎症に過敏に反応して、記憶の障害や認知機能の低下を招き、精神医学的な症状につながる可能性があります

4.まとめ
これらの知見は、インフルエンザが呼吸器疾患に留まらず、脳の免疫系や遺伝子制御に長期的な影響を及ぼし、将来、精神疾患(統合失調症など)や神経変性疾患(パーキンソン病など)を引きおこす可能性があることを示しています。
従って、たかがインフルエンザと軽視せず、インフルエンザワクチンを接種し、感染予防を十分行うことが必要です。また、妊婦さんは、ご自身だけでなく胎児を守るためにもワクチン接種を必ずして下さい。インフルエンザに罹らないようにしてください、ましてや何回も感染することは許されません。
今、当院でも毎日インフルエンザの患者さんが来院しています。すべてが、若い世代で、ワクチン接種はしていません。ものすごく危険だと思います。

投稿者 寺尾クリニカ | 記事URL

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