寺尾クリニカブログ

2024年9月12日 木曜日

長引く咳には注意してください。

呼吸器内科で一番多いのは長引く咳を主訴に来院する方です。
咳の持続期間の目安としては、3週間以上8週間未満を遷延性咳嗽、8週間以上を慢性咳嗽と定義します。
この様な咳を鑑別する主な検査は、次のものです。
①血液検査:白血球数とCRPで、炎症の有無、アレルギーの関与などが分かります。
②喀痰検査:喀痰を伴う時には、喀痰の培養や細胞診を行い、肺結核症や肺癌などを鑑別します。
③胸部写真:肺結核症、肺癌、COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)、間質性肺炎、肺炎などを鑑別します。
④呼吸機能検査:気道狭窄の有無などを調べる検査であり、咳喘息、気管支喘息、COPDなどの診断に役立ちます。
 外来で多く経験する病気の一つに咳喘息があります。喘鳴(ぜーぜー)や呼吸困難を伴わない長引く咳嗽が主な症状です。
特徴としては、咳は夜間から明け方に悪化することが多く、成人では女性に多い傾向にあります。
風邪、冷気、運動、喫煙、温度差、花粉、ストレスなどが誘引となります。
治療は、吸入ステロイドが基本です。予後は、成人では約30%が喘息に移行し、再発する事が多いです。
 最近はマイコプラズマ気気管支炎(肺炎)が流行っています。
発熱、倦怠感、頭痛、咳が主な症状です。
咳は熱が下がっても3-4週間持続します。
多くは小児や若い方に多いですが、成人にも発症します。
5-10%未満で、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症が起きます。
 さらに、忘れさられた病気として肺結核症があります。
発熱、咳、痰、倦怠感、体重減少がありますが、進行すると血痰や喀血があります。
日本では、結核罹患率が欧米と比較すると最近は低下してきましたが高いです。
これは、結核に罹患した高齢者が免疫が低下して発症する事と海外(結核高蔓延国)から来日する外国人が多いことが要因です。

 咳が長引いたら放置しないで病院を受診してください。




投稿者 寺尾クリニカ

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